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『凄い…凄いよユンギ!やったじゃん!おめでとうっ』
YG「……A、」
『わっ…』
ふわりとするタバコの香りとユンギの温かい腕に包まれる。
YG「…俺、ずっと頑張ったから…すっげー嬉しい」
『私もだよ。ユンギ…本当におめでとう』
少し弱そうな掠れた声に胸が痛むほどの強い鼓動が鳴る。
ねえ、ユンギ知ってた?
いつまで経っても、こうしてユンギと触れ合うとドキドキするんだよ。
その日にちょっと料理を失敗しても、体調があまり良くなくても。
ユンギが頭を撫でてくれば、ユンギが抱きしめてくれれば。
辛いことが夢のように無くなる。私にとって貴方は魔法使いなの。
身体がゆっくり離れると、少しだけ近い距離にあるユンギの唇に視線が落ちる。
真っ白で綺麗な肌が近づいてきて目を閉じた瞬間短くて小さなキスが落とされた。
目を開けるとその長いまつ毛がゆっくりと上がって視線が重なる。
YG「…今までごめん」
『どうしたの、急に』
YG「叶うか分からない夢を、ずっと支えてくれる⚪⚪が居なかったら、俺はきっと…諦めていたと思う」
……なんとなく、それは分かっていた。
ユンギがタバコを吸い始めたのは、入りたいと言っていた事務所のオーディションに落ちた日からだったから。
YG「俺もう、タバコ辞めるよ」
『……うん』
私がずっとやめてほしいと願っていたタバコ。
…足元にある鞄に入ってるソレを思うと少しだけ残念だと思ってしまうけど。
ユンギの夢であり、私の夢である有名歌手になるために。
彼につくして、支えていくことを誓った。
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130号室(プロフ) - 夜ふかしさん» 夜ふかし様ありがとうございます!楽しんでいただけるように頑張りますね♪ (2021年8月4日 13時) (レス) id: e48cc29190 (このIDを非表示/違反報告)
夜ふかし - 面白くて続きが気になります!これからも更新頑張ってください! (2021年8月1日 2時) (レス) id: 6551a6decb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:130号室 | 作成日時:2021年8月1日 0時