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ソクジン先輩は目の前にあるジョッキを口付け、喉を上下に動かすとその空になった物をコトンと置く。
SJ「お風呂にさ、水を1滴ずつ垂らしていたら一生そのお風呂は溜まる気がしないよね」
『…え？』
SJ「だって1滴だよ？大きい湯船に。
何年かかっても無理だと思うよね。
でもね……確実に溜まってる。
時間が経てば、それが明確になって気づいた頃には…溢れてしまう。
だから時々、栓を抜くんだよ。そうすれば溢れる事はないからね」
『………』
SJ「栓を抜く方法は人それぞれだけど… Aちゃんは栓を抜いたことが無いでしょ。
いや、というより…抜き方を知らないって言う方が正しいのかな」
『…え、と』
戸惑う私を少しだけ眉を下げて見つめるソクジン先輩は、だって…と小さな声で呟く。
SJ「Aちゃんは…今にも溢れそうに見えるよ」
ソクジン先輩は少し不思議な人だと思う。
まるで心を見透かしているような、丸裸な感覚に陥る。
だからその目が少しだけ苦手で…少しだけ、苦しい気持ちになる。
SJ「…栓を抜くの、手伝うよ」
その優しい声が、瞳が、表情が。
少しだけ…ほんの一瞬だけ。
…ユンギを思い出してしまった。
『あ…わ、たし、……』
全然………諦められてないじゃん。
伸びてきたソクジン先輩の腕が私の頭を撫でた。、ユンギがよくする仕草だった。
…何かが頬を伝う。
『…あっ、す、すみませ…』
SJ「謝らないで。辛くても…我慢してたんだね」
…………我慢。…そう、なのだろうか。
分からない。
でも…ここが店内とか先輩の前だとか関係なく溢れ出るその涙が止まらない。
それでもずっと何も言わずに、泣き止むまで頭を撫でてくれた。
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130号室(プロフ) - 夜ふかしさん» 夜ふかし様ありがとうございます！楽しんでいただけるように頑張りますね♪ (2021年8月4日 13時) (
レス) id: e48cc29190 (このIDを非表示/違反報告)
夜ふかし - 面白くて続きが気になります!これからも更新頑張ってください! (2021年8月1日 2時) (レス) id: 6551a6decb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：130号室
| 作成日時：2021年8月1日 0時
