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『ユンギ、ウチではタバコやめてってば』
YG「え?あぁ…」
ポケットから取り出した携帯用の灰皿に擦り付けると、その手でペンを持ち紙に文字をすらすらと書いていく。
そんな彼を後ろのソファーから眺める。
少し無愛想で、静かで。
でも言葉は優しくて、甘くて、温かい私の自慢の彼氏。
学生の頃からずっと有名なラッパーになりたくて今も諦めずに、その夢を追っている。
『作業順調?』
YG「…いや、イマイチ」
『そっか…何かご飯作ろうか?』
YG「平気…ちょっと一服してくるわ」
『うん』
私は、昔からタバコの匂いが苦手でユンギにもやめて欲しいと何度も頼んだ。
だけど、辞めてくれる気は一切ないみたい。
付き合う前からずっと言っていたけどタバコを吸ってから作業に取り組むと吸う前に比べて何倍も捗る、って。
そう言われる度、絶対に辞めて。身体に悪いから。と、
最後のひと押しが言えない。
『…ん、』
ユンギの一服を待ってる間に寝てしまっていたらしい。
起きあがろうとすると、身体に掛けてあったブランケットがするりと床に落ちた。
目の前に座ってるはずのユンギの背中はなくて…。
でも、私が寝る前に比べるとびっしりと文字が書かれている紙が何枚も机に広がっていた。
キッチンの方から物音がして向かうと、フライパンを揺らすユンギの姿。
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130号室(プロフ) - 夜ふかしさん» 夜ふかし様ありがとうございます!楽しんでいただけるように頑張りますね♪ (2021年8月4日 13時) (レス) id: e48cc29190 (このIDを非表示/違反報告)
夜ふかし - 面白くて続きが気になります!これからも更新頑張ってください! (2021年8月1日 2時) (レス) id: 6551a6decb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:130号室 | 作成日時:2021年8月1日 0時