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SEVENTEENのメンバーとしてデビューしたこと。
練習生期間のこと。
歌も踊りも全て覚えていること。
次の新曲も頭に入っていること。

誰も俺をホシだとわからないこと。
ホシはいない、とハッキリ言われたこと。
母さんも俺がアイドルであることを忘れていること。

目が覚めた瞬間、別の世界に来てしまったような感覚に陥っていること。



俺は全て話した。

めちゃくちゃで意味の通じないような言葉も含めて、全て。とにかくわかってほしかった。これが嘘でないこと。

事実であるということを。



『…………』



Aさんは黙ってしまった。もしかしたらドン引きしたのかもしれない。こんな意味のわからないことを必死になって話す俺にかける言葉が見つからないのかもしれない。



「………やっぱり、」


『…パラレルワールドって知ってますか?』


「…え、?」


パラレルワールド………?


『…あ、えっと、都市伝説のようなものなんですけど…なんて言ったらいいのかな…今ある世界とは別に、もう一つ同じ時系列で進む世界がある。それがパラレルワールド…だっけ…?簡単に言うとそんな感じなんだけど…』

「……俺は、つまり…」

『…この世界はスニョンさんがアイドルじゃない世界。クォンスニョンとして生きている世界だと思う。』


……俺がアイドルを選ばなかった世界…


『私にはどうしてもスニョンさんが話した内容が嘘だとは思えない。…パラレルワールドなんて非現実的すぎるかもしれないけど…そう考えるのが一番しっくりくる気がして…」

「……そんなことって、あまりにも…!」

『でもスニョンさんはSEVENTEENなんでしょ?アイドルなんでしょ?』

「………」

『…スニョンさんは何かの拍子にこちらの世界に来てしまった。そしてたぶん、今スニョンさんがいた世界にいるのは、こちら側にいたスニョンさん…』


俺の話を信じてくれって言ったのに、今では俺がAさんの言葉を信じられずにいる。

だって、本当に非現実的すぎる、こんなの。

パラレルワールド?
俺がアイドルじゃない世界?



「……ダメだ、混乱してきた」

『探しましょう』

「…え?」

『元いた世界に戻れる方法です!』

「……そんなの、」

『こっちの世界に来られたんだから、絶対に戻れる方法もあるはずです!』

「………」

『…だからもう二度と、あんな顔しないでください』



Aさんは再び俺の手を握った。
真っ暗だった視界に光が差し込んだ気がした。

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ぽん - 初めまして◡̈⃝︎ホシを推していて、ホシが好きでこちらの小説を読んだのですが、感動しました。最後のシーン涙が出ました。沢山ある小説の中でこの作品が一番好きです!他の作品も読みたいです。ありがとうございました ; ; (2022年8月20日 15時) (レス) @page36 id: 33f90bf03f (このIDを非表示/違反報告)
じゅな(プロフ) - こんにちは。お久しぶりです^_^この物語に感動いたしましたものです。ストーリーと言い、なんといい、ほんとに作者様の才能がもう…(*´ω`*) 最後には感動して涙が出てしまいました。これからも応援してします!!頑張ってください^_^ (2020年12月26日 14時) (レス) id: c9ab294052 (このIDを非表示/違反報告)
ままむの盗賊 - させられました。私ももう1人の平行世界の自分がいるかなとか思ったり。面白かったです! (2020年12月10日 1時) (レス) id: 0c147f983f (このIDを非表示/違反報告)
ままむの盗賊 - 追加ですみません。一般大学生のホシくんはダンスを始めるきっかけになった。アイドルのホシくんはアイドルのホシとして生きていたら体験できないものを堪能できた。お互い入れ替わって大切なものを手に入れられたんですね...感動。パラレルワールドについて考え (2020年12月10日 1時) (レス) id: 0c147f983f (このIDを非表示/違反報告)
ままむの盗賊 - はじめまして!みなさん言ってるんですけど中々見ない設定で、タイトルに惹かれて読みました。書き方が上手であ〜と思う場面も多々あったり、感動したりとてもいい作品でした!読めて良かったです (2020年12月9日 19時) (レス) id: 16acb9df05 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いよ | 作成日時:2019年5月19日 22時

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