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TH『はい、かんぱーい!』
「…かんぱーい」
TH『暗い!さっき店長に言われたじゃん!オーラだけでも明るくしよ!楽しいふりしよ!』
なんだかヤケクソになっているテヒョンと来たのは、駅前にある安い居酒屋。
数十分前、バイト上がり直前に、
今日暇だよね?と決めつけられ、
じゃあ飲みに行こうと拒否権なしの約束をされ、
今に至る。
「私、別にテヒョンほど不幸じゃないし、」
TH『はぁ!?好きな人には好きな人がいて、それなのに自分の家に来る男のこと受け入れてるAのほうがよっぽど不幸でしょーが!』
私とグクの関係を端的にまとめてくれたテヒョン
すごく、わかりやすいね。
TH『そんな男のどこがいいわけ!?』
豪快に飲み進めているテヒョンは
もう顔が赤い。
「…んー、顔?」
TH『なんだよ、顔かよ』
「顔って大事だよー?顔が好きだったら何言われてもムカつかないし、何されても許しちゃうし、顔見て会話も喧嘩もするわけだし、性格見て会話も喧嘩もしないもん。真っ先に出るのは顔なの、」
TH『俺の顔は、』
「テヒョンはイケメンだよ」
TH『ほんとに?』
「だって自分でも知ってるでしょ、自分の顔の良さ」
TH『うん』
即答かよ。
少しは謙遜しろよ。
TH『Aの好きな人と俺、どっちがかっこいい?』
「グク」
TH『即答かよ。
少しは悩めよ。
…グクって言うんだ』
「うん、一つ年下なんだけど、
かっこよくてー、可愛くてー、」
TH『興味なしすぎる』
私もお酒がまわったのか、聞かれてもないことをペラペラと話してしまっている。
ガヤガヤした居酒屋は、負のオーラ全開の二人をほどよく酔わせてくれた。
TH『付き合う?』
「誰と、誰が?」
お互いとろんとした目になってきた頃、
テヒョンがテーブルに突っ伏してそう言った。
TH『俺とA』
指を指しながらご丁寧に教えてくれたけど、私の頭にはハテナしか浮かばなかった。
TH『傷ついた者同士、案外相性いいかもよ?』
「ないない、私はグクが好きだもん」
TH『俺もあいつのことまだ好きー』
「…………」
TH『…………』
「付き合う意味、ゼロじゃない?」
TH『確かに。』
こんな確認しなくとも、
わかっていたことなのに。
TH『…寂しいんだ、俺、たぶん』
テヒョンがポツリと呟いた言葉
TH『大切にしてたものが急になくなって、どうしていいかわかんないんだ、それが寂しさになってる、たぶん』
テヒョンの温かい右手が
私の左手に重ねられた。
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anchun(プロフ) - 本当に面白過ぎます!続きが気になって仕方ないです😭胸がドキドキが止まらないです (2022年3月3日 19時) (レス) id: 487e998396 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ - ぬお、、なぜ更新がああああすっごいいいい (2021年5月8日 20時) (レス) id: 6a137e9fb7 (このIDを非表示/違反報告)
_tunputo_(プロフ) - めちゃくちゃ気になるとこで泊まってるぅぅぅうって声出して言ってしまいました。笑 (2021年2月27日 10時) (レス) id: 993cb3d94d (このIDを非表示/違反報告)
ちりちり(プロフ) - この作品が大好きです。 (2020年12月16日 18時) (レス) id: 9e4bd772c5 (このIDを非表示/違反報告)
そわいぬ - この作品1番更新楽しみにしてます。。うう。。( ; ; ) (2020年10月24日 9時) (レス) id: 6e2414b0f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いよ | 作成日時:2018年3月15日 1時