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TH『いいよ。それから先は言わなくて』

耳元でテヒョンくんの声がする。

TH『わかってるから。ちゃんと話してくれてありがとう。…その言葉はジョングクに、言ってやって。』

テヒョンくんの優しさが申し訳なさでいっぱいで押しつぶされそうな心に流れ込んでくる。

TH『キラキラしてたのは、俺も同じだよ。Aといると誰よりも楽しかった、幸せだった、ありがとうって何回言っても足りないくらい。』

私はテヒョンくんの腕の中で小さく首を横に振ることしかできない。

TH『ジョングクに泣かされたら、いつでも俺のとこ来ていいからね。……んー、よし、離れる!』

ニコッと笑ったテヒョンくんが私をベンチから立たせてくれた。

TH『…バス、来たね。』

「…ありがとう」

TH『え?』

「ありがとうって何回言っても足りないのは、絶対に私のほうだよ」

TH『じゃあそれはお互い様ってことで!』

テヒョンくんの両手が私の背中を押す。

TH『正直に伝えること!言わなかったら許さないからね!今回はほんとに!』

笑顔で手を振ってくれるテヒョンくんに、私は笑顔で返すことができない。

「…ありがと、テヒョンくん…」

涙声のこの言葉はきっとテヒョンくんに届いていない。バスの扉が閉まった瞬間、溢れる涙を止めることができなかった。



.

.

.




TH『…バイバイ、Aちゃん』

JM『これでよかったの、ほんとに』

TH『…うわ、ほんとに来た』

JM『そりゃ、“今から振られる、なぐさめろ”なんて書いてあるメールもらったらシカトするわけにはいかないでしょーよ。』

TH『……あーあ。結局最後までただの優しいテヒョンくんで終わったなー』

JM『いいんじゃない?中途半端に付き合って情が生まれて別れにくくなるよりは、早めにスパッとね』

TH『んー、かもね』

JM『ていうか!二人を弄ぶなんてAちゃん何様!?来世は微生物になれ!!』

TH『…そしたら俺も微生物でいいや』

JM『……ん?え、ちょっと、テヒョン、』

TH『なに?』

JM『違う』

TH『違うって、なにが』

JM『このバス、空港行かない』

TH『…え、…えっ!?』

JM『空港行きは反対のバス停だよ!!』

TH『え、嘘っ!?やばい!え!』

JM『ちょ、とにかくAちゃんに連絡!』

TH『……あれ、ない、携帯がない、』

JM『はぁ!?何やってっ…俺が連絡するから…!』

TH『Aごめんーー!!!』

JM『やばい!家に置いて来た!!!』

TH『Aーー!!!そのバス違ったー!!!』

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zizzi(プロフ) - ほんと面白くてずっと笑ってました!いよさんの言葉選びが最高すぎて牛乳飲んでなくてもヤバかったです笑楽しくて素敵な作品をありがとうございました! (2020年8月26日 22時) (レス) id: 575ff88325 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - こんなに良い話を書いてくださってありがとうございます!笑もう終始キュンキュンしまくりでした!恋愛映画の実写化いけるとおもいます!いまもう夜中の3時なんですけど時間忘れるくらい夢中に読んでました!!この作品大好きです!!続編も是非楽しみにまってます! (2019年5月6日 3時) (レス) id: f99e6b0772 (このIDを非表示/違反報告)
いさな(プロフ) - いやもう一気読みしました笑笑めっちゃおもしろかったです笑笑いま夜中の2時なんですけど、作者さんの他の作品読んできますね笑笑 (2019年3月26日 2時) (レス) id: 1147e61943 (このIDを非表示/違反報告)
つむぎ - 消さないでくださいね。 (2019年1月25日 14時) (レス) id: 811af0af41 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - 最高すぎました。ありがとうございます。他の皆さんが仰っている通りクオリティが高すぎてやばかったです。素敵な作品に出会えたことに感謝です。ありがとうございました! (2018年12月18日 22時) (レス) id: cfc195a482 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いよ | 作成日時:2017年12月17日 1時

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