116。 ページ16
TH『映画見てるときも、心ここに在らずって感じでぼけーっとしてるし、俺の問いかけにも適当な返事だし、あー、今楽しいのは俺だけだって思って悲しくなったよ。Aの頭の中占領してるの俺じゃないんだって。』
何も、言葉が出てこない。
TH『…きっとはじめから、Aは俺のこと好きじゃなかったんだよ。』
「……そんなことっ…！私はちゃんと、テヒョンくんが、」
TH『じゃあ…意味が違うんだ、』
「…え…？」
TH『俺の好きと、Aの好きは意味が違う。Aが気づいてなかっただけ。Aが恋愛感情で好きなのはジョングクで、俺の好きと一緒。』
その言葉に心臓がぎゅっとなる。悲しくて、なのか、見透かされていたことに対して、なのか、それとも…。
TH『ジョングクがアメリカに行かなくても、いずれAはジョングクのこと選んでたよ。』
「………………ごめんね」
やっとの思いで出てきた四文字は今にも消えてしまいそうなくらい小さかった。それもテヒョンくんがこんな風に私を引っ張ってくれなければ出てくることがなかった言葉。結局私は最低の悪者だ。
テヒョンくんを傷つける天才だ。
TH『…行きたいところある？って聞いた時に本当のこと言えば許してあげようかな〜っていう気持ちに少しはなったんだけどな』
「…ご、ごめん…その、」
TH『…嘘。Aは優しいって知ってるから、そんなこと思わないよ。…でも、その優しさがズルくなる時もあるからね、これから気をつけること！』
この場が暗くならないように、笑顔で話してくれるテヒョンくんに頭が上がらない。申し訳ない気持ちに押しつぶされそう。
「……テヒョンくん、」
TH『なに？』
「テヒョンくんのおかげで、私は今まで見たことなかったキラキラをいっぱい見ることができたよ」
TH『…なにそれ(笑)』
「はじめて話した日も、文化祭まわった日も、一緒に帰った日も、遊びに行った日も、私にはもったいないくらいキラキラしてて、幸せだったよ」
TH『…………』
ちゃんと、言わなきゃ。
どれだけ涙で視界がぼやけても、ちゃんと。
「……でも、ごめんね。気づいたの、自分の気持ちに。最低だと思うけど、今さら気づいたの。最悪だと思ってた毎日は私にとって大切なものだったって、わかったんだ。」
TH『…うん』
「…ごめんね、テヒョンくん。私が好きなのは…」
その瞬間、テヒョンくんの腕が私の体を引き寄せてテヒョンくんの温かさに包まれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2820人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
zizzi(プロフ) - ほんと面白くてずっと笑ってました！いよさんの言葉選びが最高すぎて牛乳飲んでなくてもヤバかったです笑楽しくて素敵な作品をありがとうございました！ (2020年8月26日 22時) (
レス) id: 575ff88325 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - こんなに良い話を書いてくださってありがとうございます！笑もう終始キュンキュンしまくりでした！恋愛映画の実写化いけるとおもいます！いまもう夜中の3時なんですけど時間忘れるくらい夢中に読んでました！！この作品大好きです！！続編も是非楽しみにまってます！ (2019年5月6日 3時) (レス) id: f99e6b0772 (このIDを非表示/違反報告)
いさな(プロフ) - いやもう一気読みしました笑笑めっちゃおもしろかったです笑笑いま夜中の2時なんですけど、作者さんの他の作品読んできますね笑笑 (2019年3月26日 2時) (レス) id: 1147e61943 (このIDを非表示/違反報告)
つむぎ - 消さないでくださいね。 (2019年1月25日 14時) (レス) id: 811af0af41 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - 最高すぎました。ありがとうございます。他の皆さんが仰っている通りクオリティが高すぎてやばかったです。素敵な作品に出会えたことに感謝です。ありがとうございました！ (2018年12月18日 22時) (レス) id: cfc195a482 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いよ
| 作成日時：2017年12月17日 1時
