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周りに気づかれないようにこっそり休憩室にやって来た。
パタンと扉を閉めたジョンインくんが近づいてくる。
JI『…話って？』
何度も頭の中でしたシミュレーションと全く違うスタートに頭も心臓も混乱してる。
…しまった、肝心の靴をデスクの下に忘れてきた。
一人、頭を抱えているとキョトンとした表情のジョンインくんが私の顔を覗き込む。
JI『…Aさん？』
ええい！覚悟を決めろ！こんな試練、入社したての時にやらかしたミスの後処理に比べたらどってことない！
「……ごめんなさい！！」
ボリューム調節は何度もしたはずなのに、思っていたより大きい声が出て若干顔が赤くなるのがわかった。
JI『…え？』
「…嘘、なんです…」
JI『……何が？』
「…貧乏ってやつ…」
JI『…………』
怖くてジョンインくんの顔を見ることが出来ない。それでもどんな表情をしているかは大体想像がつく。
「あっ、でも、自分で貧乏じゃないって言うのも変な話なんだけどっ…その、生活に困らない程度は普通にっていうか…借金とか…無くて…えっと、弟がダンスしてるっていうのは本当なんだけどっ…靴が買えないっていうのは…う、嘘で…」
早口、そしてしどろもどろになった口調は言ってる私でも理解しがたい。
こんなはずじゃなかった。もっとスマートに謝るつもりだった。
JI『……………』
…でも、これで、完全に嫌われた。
「…ごめんなさい。…靴はちゃんと…」
JI『…よかった。』
降ってきた言葉は私の考えていたパターンの中にはなかった言葉。
「………え…」
JI『…俺さ、Aさんが借金とか言うからちょっと危ないの想像してた(笑)』
…な、んで…笑うの？
JI『…だから嘘でよかった。』
…なんでよかった、なんて言うの？
JI『…でも、なんでそんな嘘……
あー……』
ジョンインくんは私に言葉を投げかけるのを途中でやめて、何か考えている様子。
…そして少し表情が曇った。
JI『…行きたくなかったなら、そんな嘘つかないではっきり言ってくれればよかったのに』
「…え？」
JI『ごめんなさい。勝手にAさんと仲良くなれたと思って強引にいきすぎました。』
ジョンインくんに悪いところなんて一つもないのに。
JI『仲良くもない男と、そんな何回も飲みに行くの嫌ですよね。』
否定したかったけどしなかった。
…きっとジョンインくんから離れるためにこの程度の距離感は必要だから。
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じぇの(プロフ) - 更新ありがとうございます！毎日チェックしますー！ (2015年11月25日 23時) (
レス) id: 911ac26ba2 (このIDを非表示/違反報告)
ぺとみ(プロフ) - 更新ありがとうございます！登場人物一人一人がうまく描かれていて本当にめっちゃ面白くてわくわくします〜TT！ジョンインくんに彼女がいないことを祈ってます！（笑） (2015年11月24日 18時) (レス) id: db7bd54a2e (このIDを非表示/違反報告)
ヘラ(プロフ) - 更新待っていました！！このお話になたんが可愛すぎで大好きです！！これからも楽しみにしています！ (2015年11月23日 22時) (レス) id: cf519f454a (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 続きが読めて嬉しいです！ (2015年11月23日 16時) (レス) id: 1651fff81d (このIDを非表示/違反報告)
wk(プロフ) - まってましたー！！更新嬉しいです！ (2015年11月23日 13時) (レス) id: baa6976490 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いよ
| 作成日時：2014年10月19日 19時
