さわやかな香りのデビル (ページ1)

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朝、目が覚めたら知らない男性、
または知人と裸で同じベッドで寝てる。
そんなこと、私には無関係だと思っていた。

目が覚めたら、見慣れない天井。
服をまとってない裸の私。ふわふわな布団と枕。

左側には、口をあけて爆睡している男。

もちろん、その男も何もまとっていない。

好奇心に負けてちらりと見てしまったけど、
私にはもったいないくらい引き締まった体だった。

もはや驚きを越えて、冷静な私。

起こさないように抜け出して、洋服を探す。
ベッドのまわりには見あたらなかった。

裸で人の家をうろつくのは気持ちが落ち着かない。

二月になり少しは温かくなったけど、
暖房が入っていないのか鳥肌がたつほど寒い。

諦めて、ベッドに戻った。

「おはよう」

彼の柔らかい髪の毛が頬をかすめる。
首もとがくすぐったい。

私のおでこにひとつキスを落とした。

「あ、あ、おお、おはよ、うございます」

突然のことに混乱して、舌がまわらない。

眩しい、彼の笑顔。

「ねえ、まだ？」

何のことか分からない。

掛け布団を取られ、彼はまたがってきた。

お腹に彼のものが……！
緊張が走って、顔から下が動かない。

視線を合わせないよう彼から顔を反らす。

「早くしろ」

その台詞に思わず反応してしまった。

顔を正面に向ければ、
柔らかいものが私の唇にあたっている。

目を瞑ることもできず、
彼の瞳に映る自分と目が合う。

キスだと理解できたのは、
口の中に生暖かいものが入ってきてから。