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「……そうなんだ」






私が言える精一杯だった。

最初から何も望んでない。
ユンギとチェヨンさんの間の絆は、私じゃ到底手の届かないものだし、高校時代の私はそれをわかっていたから。







「話してくれて、ありがとう」


「……」


「チェヨンさんは、ユンギにすごい救われてたんだろうね。たくさん、幸せにしてあげて」







紛れもない本心だった。

浮かべる笑顔は、へたくそだったかもしれないけど。好きな人の幸せを願うだけで、それだけでいいじゃないかと言い聞かせて。







「結婚式は、呼んでよね。友人代表スピーチでもしてあげようか?」


「…A、」


「ふふ…たのしみだなあ……」








きっとユンギはチェヨンさんにとって世界一素敵でかっこいい旦那さんになるんだろう。ユンギが結婚式場にいる姿を想像すると、何だか笑っちゃうけど。


じゃあ帰るね、と立ち上がって、私を見上げるユンギと向き合う。

その目を見てたら、必死で我慢したものが溢れてしまいそうで。だけどずっと目を合わせていたくて。

短い沈黙が随分と長く感じて居心地が悪く、意味もなく笑顔を作ると、ユンギの口が動いた。

何と言ったのかと考えていると。








「……え、」


「黙ってて」







ハッとしたときにはユンギの腕の中にいて。

何がなんだかわからない。どうしてこうなったかもわからない。

優しいこの人は、私のことを憐れんだのかな。








「…同情とか嫌なの、知ってるよね?」


「黙って」


「ユンギってば、離して」


「だから黙れって」


「……苦しいだけだよこんなの」








この人は何も分かってない。

愛する人の温もりも匂いも感じるのに、この全部は私のものじゃないなんて。そんなのただ辛くて惨めなだけだ。








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はるまき - すごく面白いです!更新楽しみにしてます!! (2019年2月22日 13時) (レス) id: 6f626689fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ayy | 作成日時:2019年2月17日 3時

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