私立魔法学園inバトルロワイヤル2 (ページ4)

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四十一話byコハクページ4

『そろそろ休憩時間を終了します。バトルに出場する選手は各自準備を始めてください』

まさに一触即発の空気に満たされた(ように私には思えた)その時、校長先生の声がした。

シグ「……じゃ、俺次の次だから、もう行くわ。」

シグがゆっくりと立ち上がり、それから私に

「このアギサってヤツ……。気を付けろよ」

耳打ちした。

「――!?――わ、わかった……」

いきなり近付いた距離にﾄﾞｷｯとしてしまう。

――なっ、何考えてるんだ、私……っ!!

ｷｨｲｯ....ﾊﾞﾀﾝ

扉が閉じるのを見届け、ゆっくりと振り返った。

「………」

「………」

――重い。空気が重い……っ!!!!

「…あっ、あの……」

「……何」

とりあえず何か話を……!!

そう思って必死に話題を探す。

「えっと……その、あっ、き、今日は良い天気ですね!!」

…全く関係ない話が出てきてしまった。

「……………」

アギサさんに睨まれる。

「え……えーっと、だっ、だから……」

あぁあ、私何が言いたいんだろう……

……落ち着いて。大丈夫。ほら、おばあちゃんが言ってたでしょ…？

初めて会った人には……

「その、……とっ、友達に、なってくれませんか…？」

アギサ「………は？」

「いっ、いや、だから、えっと、あの……」

しどろもどろになりながら、それでも友達になろうと頑張っているのがわかったのか、

アギサ「……友達、ねぇ…」

そうﾎﾟﾂﾘと漏らして、手を差し出してきた。

「…あっ、あの……」

アギサ「……良いよ、別に。」

「――!!―あっ、ありがとう、ございます……っ!!!!」

革手袋を付けたシグより少し小さめな手を握る。

――――握ったその手は、氷のように冷たくて。

何故だろう、

いつか温まると良いな、と

私も温まるお手伝いをしたいな、と思ったのは

「あっ、あの、これからよろしくお願いします…!!アギサさん……!!!」

アギサ「…アギサ。」

「へっ…？」

アギサ「アギサさん、じゃなくてアギサ。」

「ぁ…。…っ、えっと、あ…アギサ!!」

アギサ「そ。……よろしく、コハク」

アギサはそう言うと、よっこらせっと言いながら立ち上がり、

「……さて、気分も良くなったし、散歩にでも行くか…」

と、ドアに手をかけた。

「…あ、コハク。」

何かを思い出したように振り返って私を見た。

「…さっきは、悪かったな……。うるさいなんて言って」

ｷｨｲｯ...ﾊﾟﾀﾝ..

――あぁ、心が、あったかいなあ……。