すきなものの食べかた：39 ページ39
*
『 はは、なんやそれ、めっちゃウケる 』
随分と、砕けた物言いだと思った
見た目や、自分が今までに
抱いてきた彼女のイメージとは少し違う、
同性を前にして気が緩んでいるからか、
それはいつものクールな印象のある彼女とは程遠いものだった。
楽しそうに大口を開けて友だちと
弁当を食べている彼女の姿はなんだか新鮮で、
いつものなんでもない昼休み、たまたま２組の前を
通りかかったときにみた彼女のその姿に、俺は少しの間だけ目が離せなかった。
俺の視線に気付いたのか、こちらをふと見た気がした。驚いて、そこで現実に引き戻されて、俺は逃げるように再び歩き出した。
.
「 …なあ、黛さんってどんな子なん 」
1日の終わり、ベッドに寝そべり、
ふと同じベッドで眠っている彼女と同じクラスの
片割れにぼそりと問いかけた。…が。
「 え、何？あいつに興味あるん？ 」
ほんの少しだけ冷やかしの入り混じった声で
そう言うもんだから少し腹も立つ。
いや、長年の経験から判断するとここは無視や、ここで何かしらの反応を示せば、こいつは本格的に冷やかしに来るだろう。
「 まあ興味ていうか、…なんか気になんねん 」
「 それは興味ある、っていうんやないか 」
まあその通りだ、とりあえずこいつなら
同じクラスだし、あの子について俺よりかは知っているだろう。俺はあの子のこと、名前くらいしか知らんから。
「 ふっふ、それがな、席替えしたら隣になってん 」
「 ほおん、で？ 」
さりげなく自慢？されたようなのを無視して
話の続きを促すと侑曰く、話しかけたら
確かに初めこそは印象通りどこか冷たいけど、なんか面白い子、とのこと。よくわからへん。
「 なんかなあ、最初はとっつきにくいねんけど、しつこく話しかけたらめっちゃおもろいねんあの子、ツッコミとかキレキレ 」
この様子だと、こいつは相当隣の彼女を気に入ったらしい。今まで彼女にはクールな印象を持っていたけど、本当の彼女は、今日昼にみたような調子なのかもしれない。
「 あとちょっとツンデレっぽいねん 」
「 …は？お前何言うたん？キモ… 」
「 そんなに引かんでもええやんか！！
あと別に変なこと言ってへん！！ 」
侑がこんなに楽しそうに
彼女について話すから、俄然彼女に興味が湧いてきた。昼にみた、彼女の笑った顔が頭に思い浮かぶ。
「 …めっちゃかわいいやん 」
ぼそりと呟いた言葉は、
片割れには聞こえていないだろう。多分。
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うに - すすす素敵すぎてびっくりしました！最後までキュンキュンしながら読みました！ (2021年8月5日 15時) (
レス) id: aca41c32b2 (このIDを非表示/違反報告)
らんたん(プロフ) - こんなにキュンキュンしたのは久しぶりです！本当にありがとうございます。胸が苦しい… (2021年4月19日 11時) (レス) id: 1e7e266fc1 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - 終盤泣きました。最高of最高をありがとうございます(真顔)。 (2021年1月16日 16時) (レス) id: f36e099441 (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 初コメ失礼します！！終始キュンキュンしっぱなしでした、最高です！宮兄弟が好きな私にとって最高な作品でした！これからも頑張ってください！ (2018年12月18日 0時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
鈕(プロフ) - つくねさん» ありがとうございます〜〜！！そういっていただけてとても嬉しいです；；；； (2018年11月16日 21時) (レス) id: 8b744c9e10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈕
| 作成日時：2018年2月3日 17時
