すきなものの食べかた:23 ページ23
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背は高いし、遠くから見てもわかる、美形だな。
おまけにあんなに優しくて、
うちのバレー部のレギュラーともなれば、
この
治の「好きな人」になれた女の子は、
きっと幸せだろうな。
視線を送りすぎたのか、
私の方をちらりと見た治と目があった。
どうしてこんなにも、治と目が合うとドキリとさせられるのだろう。
「 何買ったん 」
『 ミルクティーやで 』
目があったことを特に気にする様子もなく
そう聞かれたので、平静を装いながら
治のところまで行き、隣に立って
そういうと、なぜかフ、と柔らかく笑われた。
『 え、なんで笑ったん? 』
「 なんかAっぽいなあって思った 」
『 え、ミルクティー? 』
「 うん、ミルクティーって感じする 」
なにそれ、とこっちまで笑いそうになった。
治はたまに、不思議ちゃんというか
なんていうか、よくわからないことを言う。
私ってミルクティーっぽいんだ。
『 治、買うもの決めるの早かったな 』
「 うん、てかあいつらが
迷いすぎなのもあると思う 」
治と一緒に、外からもう一度店内に
目をやると、侑はまだ肉まんとあんまんの
どちらを買うか迷ってるのかさっきの場所から
動いてなくて、銀島くんもそれは同じだった。
『 ふたりとも意外と優柔不断? 』
「 侑はそうでもないけど 」
『 ああ、言われてみれば確かに 』
選択肢はたった2つ、
肉まんか、あんまんか、
それを決めるだけなのに、
無駄に真剣な顔をして悩んでいる侑が面白かった。
侑っていつもなんでも即決、
っていうイメージがあったから尚更だ。
『 あ、角名も今の全部読み終わって
今度は違うやつ読み始めたわ、てか角名も
漫画読んだりするんやな、意外 』
バレー部に入って、今まで殆ど
接点がなかった角名や銀島くんの
色々なところを発見できるのは面白い。
こうして5人で帰ったりするのは楽しいし、
治が部活してるとこを近くで見れるし、
マネージャーをやって本当によかった。
「 なあ 」
声をかけられ、反射的に治を見上げたら、
思っていたよりもずっと、何を考えているのか
わからない目で私を見下ろしていた。
いつも治の考えてることは
比較的読みづらいけど、今は違う。
雰囲気も、その目の向こう側にも何かが宿されてて、思わず怯んだ。
『 なに、 』
言い終わる前に腕を引かれ、
バランスが崩れたと思ったら、唇に何かが触れた。
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うに - すすす素敵すぎてびっくりしました!最後までキュンキュンしながら読みました! (2021年8月5日 15時) (レス) id: aca41c32b2 (このIDを非表示/違反報告)
らんたん(プロフ) - こんなにキュンキュンしたのは久しぶりです!本当にありがとうございます。胸が苦しい… (2021年4月19日 11時) (レス) id: 1e7e266fc1 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - 終盤泣きました。最高of最高をありがとうございます(真顔)。 (2021年1月16日 16時) (レス) id: f36e099441 (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 初コメ失礼します!!終始キュンキュンしっぱなしでした、最高です!宮兄弟が好きな私にとって最高な作品でした!これからも頑張ってください! (2018年12月18日 0時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
鈕(プロフ) - つくねさん» ありがとうございます〜〜!!そういっていただけてとても嬉しいです;;;; (2018年11月16日 21時) (レス) id: 8b744c9e10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈕 | 作成日時:2018年2月3日 17時