すきなものの食べかた:22 ページ22
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もう辺りが真っ暗になった頃、
主将の北さんの集合の声がかかり、
ミーティングをしてみんなでモップや
片付けを済ませ、体育館を後にした。
帰りは治と侑、角名と銀島くんの中に
混ぜてもらって一緒に帰っている。
最初のうちは、男子の中に女子ひとりで
いることに引け目を感じて遠慮していたけど、
みんなが暗くて危ないから、と言ってくれたから
こうして部活後はみんなで一緒に帰っている。
最初のうちはなんだか落ち着かなかったものの、
今では同じ学年、同じ部活ということで
案外会話は弾むもので、今ではこの時間が結構楽しいものだったりする。
何より治もいるから安心だ。
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「 肉まんとあんまんで迷うわあ… 」
レジの前で、侑がそんなことを
ブツブツ言っているのを耳にしてコンビニを出た。
いつもの5人での部活帰り、
侑の腹が減った、という発言から
私たちはたまたまあったコンビニに立ち寄ることになった。
侑を除く私たち4人は
さほど空腹でもなかったが、
いざコンビニに入って陳列された食べ物を
見ていると、どこからか湧いてきた食欲により
視線を食べ物に向けていた。
あまり乗り気じゃなかった銀島くんも、
今はおにぎりの陳列棚の前で何やらずっと
迷っている様子。
ちなみに角名は漫画を立ち読みしてた。
私は結局、もう家に帰れば夕食ができているし
ここで買い食いするのも勿体ないなと思い、
温かいミルクティーを一本だけ買った。
寒いけど外で待っていようと外に出ると、
案の定、冷たい風が肌を突き刺してきた。
慌ててマフラーに顔を埋め、
ふと目をやると、すぐ目の前の駐車場で、
治がぼーっとした様子でスポーツゼリーのようなものを飲んでいた。
手元にはコンビニ袋が既にあって、
侑や銀島くんはまだ店内で迷っているのに、
買うもの選ぶの早いなあ…ってひとり妙な感心をした。
どこか遠くを見つめるその眼は
なんだか儚げで、何を考えてるのだろうと気になった。
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うに - すすす素敵すぎてびっくりしました!最後までキュンキュンしながら読みました! (2021年8月5日 15時) (レス) id: aca41c32b2 (このIDを非表示/違反報告)
らんたん(プロフ) - こんなにキュンキュンしたのは久しぶりです!本当にありがとうございます。胸が苦しい… (2021年4月19日 11時) (レス) id: 1e7e266fc1 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - 終盤泣きました。最高of最高をありがとうございます(真顔)。 (2021年1月16日 16時) (レス) id: f36e099441 (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 初コメ失礼します!!終始キュンキュンしっぱなしでした、最高です!宮兄弟が好きな私にとって最高な作品でした!これからも頑張ってください! (2018年12月18日 0時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
鈕(プロフ) - つくねさん» ありがとうございます〜〜!!そういっていただけてとても嬉しいです;;;; (2018年11月16日 21時) (レス) id: 8b744c9e10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈕 | 作成日時:2018年2月3日 17時