��動き出す時間 ページ7
貴方 side
七年前。
両親と先生からの圧力から進路に悩みに悩んでいた高2の私。
二年の終わりに引っ越してきたせいで、クラスでも上手く馴染めず親しい友人もいなかったから相談もできないし、これといった趣味や習い事があるわけでもない。
そんな退屈が渋滞した日常に、彗星の如く現れたアイドルがいた。それがBTS。
��お前の夢は何だ��
��お前が夢見てた自分の姿ってなんだよ��
メッセージ性の高い歌詞と、熱いメロディに私は圧倒され、ごく自然と防弾少年団のファンになった。
甘いジョングクの声、クールなシュガのラップ、パワフルなホバのダンス、他のメンバーも活力に溢れていて私の忘れていた何かを呼び覚ましてくれたような気さえした。
これまでアイドルオタクとは無縁だった生活が一変し、使い道のなかったお金は泡のように消え、バイトして稼いでアルバムを買ったり、ライブへ行ったり。
今でも初めて行ったライブは鮮明に思い出せる。
あの熱気。あの感動。全て昨日のことのようだ。
それほど私にとってあの時間は特別だった。
いつからだろう。
アルバム１つに対しての喜びが薄れたのは。
全世界チャート1位、音楽番組5冠以上、アルバム総売上歴代トップ。
その全てが、当たり前になってしまったのは、いつからだっけ
防弾少年団とアーミーはいつも寄り添って来たというより、お互い高め合って来たって言葉が合うと思う。
少なくとも私はそのつもりだった。私と対して年の変わらない彼らに、何でもしてあげたいと思ったし、私も彼らのように頑張ろうって心の奥底に眠ってた夢を思い出すことが出来た。
オタクをするにはお金がいる。
でも、中途半端に月給のいい仕事を、夢になんかしたくない。
だから私は小さい頃から密かに育てていた夢を初めて両親の前で口に出した。
［ フォトグラファー］
ライブ中輝く彼らの今を、唯一永遠に出来る方法。
それが写真だった。
昔から私は風景の写真が好きだった。
いつかここに行ってみたいと思えたり、綺麗な景色を見るだけで何だか心が洗われるから。
だから、私もそんな写真を撮る人になりたかった。
そう思って写真を学べる塾に通った。資格を取って、実際に写真を撮ってみたりもした。
その過程をサイン会でバンタンに話したこともある。
『 ____さん最近キラキラしてるね』
我ながら、あの頃の私はあの日の7人のように活力で溢れていたと思う。
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愁(プロフ) - noenunaさん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます^^ 帰国したばかりで心身共に疲れ果てていたのですが一気に元気になった気分です…そしてまさか共感してもらえる日が来るとは…これからも更新頑張ります；； (2019年10月30日 18時) (
レス) id: 5c1877f0f8 (このIDを非表示/違反報告)
noenuna - コメント失礼致します。本当に楽しく読みました。設定も凄く面白いです。何より主人公に共感できることがあまりに多く、虜になってしまいました。私も個人的に思うところがあり、勝手に作者様に対しても共感しております。更新を心から楽しみにしています。 (2019年10月29日 16時) (レス) id: f54cd9864f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愁 | 作成日時：2019年9月22日 18時
