＊ ページ14
貴方 side
JK「 で、誰ですかあなた」
ジョングクが柔らかく微笑む。だけどその目は背筋が凍るほど、冷たかった。
冷静になれ。私はカンAとして生きることを決めたんだ。いや決めざるを得ない状況でしたけど。
それでも、今この時期に彼らBTSの負担になんかなりたくない。なっちゃいけない。
「 …あなたこそ、何言ってるのよ。大人をからかうのもいい加減にしなさい」
大きな目がぐらっと揺れる。
動揺しているみたいだ。記憶の中のジョングクは、一周回って分かりやすく私を好きでいてくれた…はず。
変に違う思考が混じっているせいか、たまに口調が崩れてしまっていたのは完全に私の落ち度。
とりあえず、ウリマンネは変な女に捕まるような子ではなさそうで安心した。
JK「だって別人みたいなんだもん。匂いも違うし」
「 ………え？匂い？」
聞き間違えか？
JK「 ヌナっていつもウッディ系の匂いがしたのに…昨日も今日もシプレー系？」
ちょっと口を尖らせてそう言うジョングク。
いやいやいやいや！！！！まじ？！え、まじなの？！！
私の些細な変化にもお気づきのようで。
ていうか私もしかして香水間違えた？
カンAがいつも付けてるやつだったと思ったんだけど…
もしかしてあれかな、体臭とかもあるのかな…いやそんな変わらんよな…
「 …ジョングク、私の匂いがどうして分かるの？いつもそんなに近くにいた？」
JK「 そ、そんなんじゃないけど！」
狼狽え出したジョングクが可愛くて、ちょっと意地悪してやろうと笑ってみせる。
「 グギヤ、あなたもしかして……私のこと好きなの？」
そう言っていたずらに笑った私を見たジョングクの動きが止まる。えっ、と思ったその瞬間、じわっと赤くなる彼の首と耳。
JK「 ちっ………違うし！！！！」
ばっ、と起き上がって、ベッドから降りたと思えば、大きな目を若干潤ませながら「ヌ、ヌナなんか好きじゃないし！！！」とギャルゲーのお決まり台詞を吐いて出て行った。
まじで何だったんだあの子。
後ろ姿が可愛くて、クスッと笑ってしまう。
いや分かり易過ぎる。好きなんだなあ、カンAのこと。
そっか。テヒョンも、ジョングクも好きなのか。
「 …ごめんね」
だけどそれは、私ではない。私だけど、私ではないのだ。
私は、二人の純粋な気持ちを受け取れる人間ではない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 286人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
愁(プロフ) - noenunaさん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます^^ 帰国したばかりで心身共に疲れ果てていたのですが一気に元気になった気分です…そしてまさか共感してもらえる日が来るとは…これからも更新頑張ります；； (2019年10月30日 18時) (
レス) id: 5c1877f0f8 (このIDを非表示/違反報告)
noenuna - コメント失礼致します。本当に楽しく読みました。設定も凄く面白いです。何より主人公に共感できることがあまりに多く、虜になってしまいました。私も個人的に思うところがあり、勝手に作者様に対しても共感しております。更新を心から楽しみにしています。 (2019年10月29日 16時) (レス) id: f54cd9864f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：愁 | 作成日時：2019年9月22日 18時
