ステラ［YG］ (ページ10)

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貴方 side

「オッパ、」

JM「ん？」

「ちょっと飲み物買ってくるね」

JM「喉乾いたの？僕が買ってくるよ。Aは大人しくしてて」

「そう？ありがとう。じゃあ、甘えようかな」

JM「いつもそうやって素直に甘えてくれたら言うことないんだけどね」

「ジミナオッパはいつも一言余計だよね」

JM「ん？(笑)」

「怖いからそんな顔で見ないで(笑)」

ここで大人しくしててよ、と笑ってジュースを買いに行ってくれたオッパの背中をぼーっと見たあと、窓を見た。

大袈裟に包帯が巻かれた自分の腕。痛々しいそれが、余計にあの痛い思い出を私の脳内刻もうとしているみたいで不快だった。

ジミンオッパのお母さんが来てくれて、お金の心配しなくていいからとタクシー代を払ってくれて、今日はこのまま家に帰りなさいと帰りのタクシーも準備してくれた。

仕事がまだ終わってないから付き添えなくてごめんね、と言われたけど、わたしにとっては来てくれただけですごく嬉しかった。

両親はまだ私が小さい頃から海外の会社で働いていた。二人とも私のことをすごく愛してくれているけど、忙しいから直接会える機会が少なかった。

だから、私には足りないものが多いんだろうか。

YG「 A？」

「 …ユンギ先輩」

久しぶりに見た先輩は、髪が黒くなっていて、なぜかスーツを着ていた。少し前より痩せた気もする。

よく分からないまま、その胸の中に飛び込んだ。

私を受け止めてくれた先輩は驚いた顔をしていて、後ろで飛び出ようとしていた黒ずくめの人たちに手を振って牽制した。

YG「お前、なんでこんなところにいるんだよ」

「本当に些細な怪我で、ジミンオッパが行かないとって。ほら」

包帯を見せると、途端に顔が険しくなった。

YG「 …痛むのか？」

「うーん、医者にはあざになるかもしれないって言われたけど、今はそんなに。」

あ、どうしよう。まだ好きも何も言っていないし、先輩の考えもわからないのに抱きついちゃった。

だけど、優しく腰に回されている腕が私を支えてくれてる、ただそれだけのことが特別に思えるんだ。

やっぱり先輩はすごい。
会っただけ目を合わせただけでこんなにも、私の心を動かしてくれる。

「慰めてくれるんですか？それなら、」

それなら、もっと強く抱きしめて。

その尖った瞳の理由を教えてください、先輩。