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貴方side
YG「 Aー」
「 何ですかー」
YG「 眠い」
「 今もほとんど寝てますよね」
私の膝の上に頭を預けて、猫みたいに寝てるユンギ先輩をギョッとした顔で見る組員さんたち。
テヒョンさんもジョングクもそうだったけど、どうやら私が知ってるユンギ先輩はユンギ先輩らしくないらしい。
YG「 …お前さ、この家見ても何も思わねーの？」
「 だからさっきからすごいなーって言ってるじゃないですか」
YG「 ………やっぱお前変だわ」
貶されているのか、褒められているのか、言葉と表情が合っていない先輩は心底嬉しそうな顔をして私の頭をぐしゃっと撫でた。
私の周りには、頭を撫でることが習慣のようで癖のような人が沢山いる。
できる限り優しくふわふわとするのがジミンオッパ、両手でぐしゃぐしゃ〜とするのがテヒョン先輩、ポンポンと手を乗せるのがジョングク
そして、ぐしゃっと手のひらで包むように柔らかく撫でるのがユンギ先輩だ。
先輩はいつも、少しだけムスクの匂いがする。
ブレザーの中に大きめのカーディガンを着てるのも、たまに甘いものが食べたくてコンビニスイーツを買ってるのも、私の肩に凭れて眠るのが好きなのも、全部愛おしいと思える。
何でだろう、不思議だよ。
多くない言葉や反対に多い沈黙がどうしてこんなに心地よく感じるのか。普通なら間がもたなくて居心地悪くてムズムズするのに、まあそもそも私は口数が多いわけじゃないけど…それでも、先輩の傍は、あの空気感は私の心を安らかにしてくれるみたい。
YG「 そういやジミンよく許したな」
「 私もちょっと意外でした。いつもは外出するって言うと嫌な顔されるんですけど」
YG「 まあ、俺でもそうするよ。お前危なっかしいんだもん」
「 うーん…否めないところはありますね。私土地勘なくて」
YG「 いや土地勘云々の問題じゃないんだけどな」
先輩は私のこと好きなんだろうなって視線で分かる。自惚れとかじゃなくて、愛されている実感をくれる優しい眼差しに気づける自分でいたいんだ。
誰かの目を見て、感情を読み取ろうとすること自体が私にとっては普通じゃない。
迷路の中に一人でいる先輩。
だけどユンギ先輩がいる場所がどこであれ、私から行くから心配しないでそこにいてほしい。
あなたが来られないなら、私が近づくから。
そうしたらいつか、今は言えないことも自然と話してくれますか？
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作者名：愁 | 作成日時：2020年1月27日 18時
