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貴方side
ジミンオッパにユンギ先輩のお宅にお邪魔させてもらうことを連絡すると思ったより簡単に「行っておいで」の言葉がもらえた。
やっぱり、ユンギ先輩だからかな。
何だか兄に認めて貰えたような気がして嬉しかった。
「 わ〜すごい」
YG「 おい身を乗り出すな…子供か」
「 ふふ。だってこんなに大きな車に乗ったの初めてなんですもの」
YG「 カイチョーもこんなん乗ってるだろ」
「 …こんなに大きくて黒い車に乗ったのは初めてです!」
YG「 ああ、あいつの白か」
私の頭をぐしゃっと撫でて微笑んだ先輩は、星空から星を取って埋め込んだんじゃないかと言うくらいキラキラしてた。
「 …かっこいい」
黒塗りの車に乗って家に向かい初めてから、頬杖をついたままそっぽを向いてしまった先輩。
「 あ、テヒョン先輩とジョングクは?」
YG「 ジョングクは生徒会、テヒョンは………あ、合流するみたいだ。おい、」
( テヒョン坊ちゃんはどちらで?)
YG「 会社の前だとよ」
( 分かりました。)
運転手さんがユンギ先輩のことを若だとか坊と呼ぶと、改めて先輩がその道の人なのだと思った。
ん?あれ?
「 …実家?」
YG「 ああ、ジョングクはうちの組員だけど、テヒョンは違うって言って………ないか」
「 ないですね。てっきり…でも思えば、テヒョンさんはいつも帰り道別でしたね」
YG「 車で一緒に帰るときもあるけどな。あいつの家も特殊だから」
あとは本人に聞け、とまた私の頭を撫でた。
だけどいつものように見つめてはくれなくて、窓の外、遠くを見てる。
そんなに景色が綺麗?
私よりもずっと見ていたい何かがあるんですか?
何だかむっとして、だけど、なんとなく先輩が悲しいことを考えているのがその憂いを帯びた横顔から感じ取れた。
すごい。好きな人の気持ちってどうしてこんな風に心の中に流れてくるんだろう。私って心が読めるの?と思えちゃうほど、眼差しひとつで色んなことが読み取れる。
だけどその反対に分からないことも勿論沢山あって、それに気がつくたびに心がズキズキと痛んだ。
「 先輩、」
こっちを見ようとしない先輩の肩に頭を乗せた。
そして私の頭に先輩が頰を寄せる。握られた手は、もっと強く握り返して。
YG「 お前の手、あったかいな」
「 ふふ。先輩の手を温めるための体温です」
YG「 ……可愛すぎ」
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作者名:愁 | 作成日時:2020年1月27日 18時