ステラ［YG］ (ページ15)

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TH side

何色だろう。
僕のこの髪色は、何色なんだろう。

白？黒？青？緑？

それとも、何色でもない？

窓からの木漏れ日が、彼女の黒髪を照らした。
まざまざと見せつけられるその綺麗な黒。

何色にも染まらないくせに、他の色全てを飲み込んでしまうその色を見るたびに、自分がどんどん嫌な人間になっているようだった。

貴方「あ、ユンギ先輩だ」

彼女の目には今きっと、ユンギヒョンか、それ以外かでこの世が見えているんだろう。

無邪気さが残酷だった。僕の友人はそんな君をどんな気持ちでずっと見てきたんだろう。到底分からなかった。

初めてアイツと会ったのは、2年前。

深夜3時を過ぎた頃の僕みたいな奴がやっと息をできる街。暗い路地裏。

頬に赤い染みを作っても無表情でバッドを持ったそいつに、ただの好奇心で声をかけた。

『ソイツらどーしたの？』

『 …僕のカナリアの翼を毟ろうとしたから』

あ、こいつやべー奴だ。ふとそう感じ取った。
ユンギヒョンと仲良くなる前からそういう奴は何人も見て来たけど、その中でもそいつは…ジミンは、特別暗い瞳を持っていた。

それから無理やり連絡先を交換して、何回か会ったけど、ジミンの目は暗闇の中だった。だから必然的に気になったんだ、その"カナリア"が。

貴方「テヒョン先輩…？」

「ひひ。Aの髪って綺麗だよね」

カナリアは、Aだった。
初めて君の隣にいるジミンを見たときは目を疑ったよ。あれだけ無表情で仏頂面だったあいつのあんなに柔らかな笑顔を見たのは初めてだったから。

それからすぐに、ジミンが入学すると言ったヒョンと同じ高校に入学できるようにして貰って、クラスも一緒にして、

『ジミナ！』

JM『は？…なんで君が…』

『ししっ、よろしくね！』

そうして僕らは正式に友達になった。
僕の前では仏頂面だったけど、それでもジミンが優しいことには変わりなくて、どうしようもない僕のことをユンギヒョンみたいに面倒見てくれてる。

かなりやばいけど、大切な友達だ。

だから、カナリアにはいつまでも綺麗な声で鳴いて貰わないといけない。

そのカナリアがさらに大好きなヒョンの好きな人なら尚更。

そんなにいいの？二人にはどれだけよく映ってんの？

確かにAは美人だけど、その美人さを打ち消すほどの黒い何かを纏ってる。その冷たさが高嶺の花らしいけど、僕には分かんないなぁ。