ステラ［YG］ (ページ13)

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４：紫電ページ13

貴方side

先輩に好きだと言われてから1週間の間、ふわふわした気分で毎日過ごした。

何だろう…すごく不思議。

何億人という人が住んでいて、さらにその中で同じ時代を生きて、そうして出会った人と同じ想いを抱く。

なんて不思議で、美しいんだろう。

第三者から言われると私の心は急にシフトチェンジして、彼のことを益々意識した。思い出の中にある先輩をずっと探して、可愛いと思った表情やくれた言葉を思い出してはニヤニヤして。

ふふ。こんな風に小説に出てくるあの少女みたいなことをわたしがする日が来るとは。
私自身が1番、想像出来なかったよ。

また可愛いユンギ先輩を思い出して一人でニヤつきながら教室に戻ると、ドア付近が何やら騒がしい。

何だろう。後ろのドアからそのまま入って人混みを見てみると、そこにいたのは人が多いことなんて関係ない、色んな意味で他の人とは違うテヒョン先輩がいた。

とんでもない美貌をお持ちのテヒョン先輩は当たり前だと言うように女の子たちから人気がある。だけど、本人は全くその気がないらしくて、むしろ断るのももう面倒だから無視してるって前言ってたけど…

さっきの光景を見て納得した。どんなに綺麗な子が縋っても、全く動じず無視する先輩の鋼のハートに拍手を送ろう。

TH「お、いたいたーA！」

そしてそんな女の子たちには目もくれず、私の名前を呼ぶから、これまた当たり前に冷たく鋭い視線が私を突き抜けるように刺さった。

あ～痛い痛い。

だけどごめんね。私結構図太い女だから、そんな風に睨まれたってどうも思わないよ。

「こんにちは先輩。今日はどうしたんですか？」

TH「ユンギヒョンが来るから誘おうと思って。一緒にさーぼろ」

「分かりました。行きます」

TH「そうこなくっちゃ～」

先輩の名前が出るとさらに女の子たちは厳しい目を向けてくる。流石、前生徒会長の人気は現役を知らなかった一年生ですら虜にしてるんだ。

すごいなぁ。

まあ、あげないけど。

ユンギ先輩は絶対誰にも渡したくない。

長い時間を共にしたわけじゃない。むしろ、どうしてこんなに心が安らぐのか不思議なくらい出会ってから今に至るまで短い。だけど分かるんだ。この人だって。この人の手を絶対に離しちゃだめなんだって。そう分かる。

ただ、傍にいられることを当たり前だと思わない先輩の隣にいたい。先輩の帰る場所になりたいんだ。