＊ ページ39
JN side
貴方「 ７人のパフォーマンスが、言葉が、その全てが、一人でも多くのアミを救えるものとなりますように」
その瞳は、真っ直ぐだった。
貴方「 あの頃、ステージから逃げないでくれてありがとう」
彼女はいつか、俺のことを満開の桜だと言った。
嫌だった。すぐに枯れてしまう花に例えられて不愉快だったけど、それでも、害虫に蝕まれながらも結局美しい花を何度も何度も咲かせて、人々を圧倒させるその花のようになりたいと思った。
貴方「 ジンさん、健康には気をつけてくださいね」
「 うん、気をつける」
貴方「 あ、あと…よく分からない理由で前髪を切らないでください。後から後悔することになりますから！前髪大事！」
「 なんだそれ(笑)」
10年前、Aと出逢ったあの日。
器用不器用で不幸せそうな子だと思った。
初めて話しかけた日。怪訝な顔をするかと思えば、どうしていいか分からない。そんな戸惑いを見せた。年相応の若い反応になぜかちょっと嬉しかった。
それから鬱陶しいくらい話しかけた。ユンギから聞いた身の上話はただの物語のように聞いた。無責任に同情なんてしたくなかった。
俺の前で少し緊張しながらも「オッパ」と呼んでくれる君のこと、気がついたときにはもう遅かった。もう、とっくの昔から好きだった。
仕事と弟達の世話で忙しそうな負担になりたくなかった。平気じゃないのに平気なふりをしていた。
そんな俺に「あなたは、私には話せと言うくせに、何一つ私には話してくれないんですね」と初めて涙を見せた。
少し拗ねたようなそんな口ぶりが愛おしくて仕方なかった。抱きしめたかった。でもできなかった。
もっと遠い未来、Aを抱きしめられる時が来るのかな。
貴方「 じゃあ私行きますね」
「 あ、ちょ、待て！これ！」
貴方「 なんですか…これ」
「 テヒョンから。多分そのカードの返事じゃない？」
貴方「 …律儀ですね」
「 うん、テヒョンなりに一生懸命調べて書いたと思うから、見てあげて。それは間違えなく君宛だから」
嬉しそうに微笑んだあと、そのカードをポケットに入れた君を隠すように、冬の冷たい風が強く吹いた。
「 …ん？」
目を開ける。
「 俺、何してたっけ…」
通り過ぎるように桜を乗せた風は、まるで終わりを告げるように春を吹き抜けた。
fin.
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愁(プロフ) - phantさん» ありがとうございます；； (2020年1月26日 3時) (
レス) id: 5c1877f0f8 (このIDを非表示/違反報告)
phant(プロフ) - なんとまぁ、心臓がギュゥっとなりました。おもしろかったです！！ (2020年1月23日 1時) (レス) id: 1fb91767b9 (このIDを非表示/違反報告)
愁(プロフ) - noenunaさん» noenuna様お久しぶりの更新となってしまい申し訳ないです…あけましておめでとうございます！現在書いているepilogueで今作品は終わってしまいますが、最後まで7つで1つの心に寄り添って書きたいと思います。。完結までどうぞ宜しくお願い致します^^ (2020年1月13日 2時) (レス) id: 5c1877f0f8 (このIDを非表示/違反報告)
noenuna - 愁様！お久しぶりです。新年のご挨拶でもしようかと迷っていたのですが、、そんな折に更新して下さって感無量です…！催促をするわけでは無いのですが、楽しみに待っておりましたのでとても嬉しいです。そしてあけましておめでとうございます！ (2020年1月12日 23時) (レス) id: e65e70218f (このIDを非表示/違反報告)
愁(プロフ) - noenunaさん» noenuna様お久しぶりです（ ; ; ）書こうか書くまいかひたすら悩んでいたグクの話を公開してドキドキしていました…これからも更新頑張ります^^ (2019年11月10日 18時) (レス) id: 5c1877f0f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愁 | 作成日時：2019年11月9日 3時
