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THside
白い扉の前に立って深呼吸する。
ガラガラと音を立てて開けると、月明かりに照らされたヌナが目に入った。
貴方「 …そんな怖い顔して病室に入るバカがどこにいるのよ。ほら、そんなとこに突っ立ってないで入りなさい」
花様年華じゃないんだから、と呟くその顔がいつも通りで、気の抜ける言葉に拍子抜けして、自然と笑みがこぼれた。
笑った僕に安心したのか、ヌナも微笑んだ。
「 体は？…もういいの？」
貴方「 大丈夫だから、心配しないで」
「 僕が守れてたら…」
貴方「 ばか言わないでよ。あなた達の痛みは私の痛みよ。ジニオッパも散々怒ったんだから」
小さく笑うヌナは思っていたよりも顔色が良かった。小さなまぶたを閉じて眠っていたあの夜が嘘のようだ。ヌナが生きてる。今、僕の目の前で微笑んでいる。それだけでどんどん蝕まれていた心が救われた気がした。
ベッドの隣に置いてあった椅子に腰掛けて、小さな手を握る。
その手を見つめたヌナが、悲しそうに微笑うから、病院の窓から見える桜が咲きそうなのが全然嬉しくない。
貴方「 皆んなの調子はどう？」
「 皆んなジニヒョンもヌナも目を覚ましてくれてこうやって面会出来る状態にもなってすごく安心したよ」
貴方「 そう…ジミンは眠れてる？」
「 ヌナの枕をぬいぐるみ代わりにして、あったかい牛乳一杯飲んで、アロマ炊いて、本も読んで、眠ってるみたい」
貴方「 わたしの枕使ってるの？」
「 ヌナの匂い！って。ちっちゃい子みたい」
貴方「 じゃあ、ジョングクは泣いてない？ホソクは自問自答で疲れてそのまま床で寝ちゃわないか、ナムジュンは考え過ぎて頭痛がずっと続いてないか、あなたは、そんな彼らを笑わせようと安心させようと自分を殺してないか…心配だよ」
沢山のチューブに繋がったヌナが、間接的に弱ってる僕らよりも衰弱してる彼女が、自分の容態やこれからのことを全く話さず、僕らのことを考えていることが不思議だった。
笑顔を見せたり、突き放したり、忙しい人。
「 ヌナって変だよね」
貴方「 …テヒョンがそれ言う？」
「 だってまるで…ヌナが二人いるみたい！」
貴方「 えっ」
「 でも僕はもしもヌナが二人いるなら…あの日と同じ、笑顔のヌナがいいなぁ」
あの日は桜が咲いていた。
冬の寒い日が過ぎていって、やっと出会った桜の木の下。桜を見上げて微笑うヌナに僕は恋をしたんだ。
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愁(プロフ) - phantさん» ありがとうございます；； (2020年1月26日 3時) (
レス) id: 5c1877f0f8 (このIDを非表示/違反報告)
phant(プロフ) - なんとまぁ、心臓がギュゥっとなりました。おもしろかったです！！ (2020年1月23日 1時) (レス) id: 1fb91767b9 (このIDを非表示/違反報告)
愁(プロフ) - noenunaさん» noenuna様お久しぶりの更新となってしまい申し訳ないです…あけましておめでとうございます！現在書いているepilogueで今作品は終わってしまいますが、最後まで7つで1つの心に寄り添って書きたいと思います。。完結までどうぞ宜しくお願い致します^^ (2020年1月13日 2時) (レス) id: 5c1877f0f8 (このIDを非表示/違反報告)
noenuna - 愁様！お久しぶりです。新年のご挨拶でもしようかと迷っていたのですが、、そんな折に更新して下さって感無量です…！催促をするわけでは無いのですが、楽しみに待っておりましたのでとても嬉しいです。そしてあけましておめでとうございます！ (2020年1月12日 23時) (レス) id: e65e70218f (このIDを非表示/違反報告)
愁(プロフ) - noenunaさん» noenuna様お久しぶりです（ ; ; ）書こうか書くまいかひたすら悩んでいたグクの話を公開してドキドキしていました…これからも更新頑張ります^^ (2019年11月10日 18時) (レス) id: 5c1877f0f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愁 | 作成日時：2019年11月9日 3時
