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TH side






ヌナの膝下に崩れ落ちて血を流すヒョン。気絶するヌナ。

最悪の状況だった。

ヌナを守るだとか大口を叩いておいて、僕は棒立ちだった。怖くて、ヌナを失う恐怖に負けて、ジニヒョンがいなかったら…そう考えるとまた怖かった。




ヒョンたちが二人に駆け寄るも未だに動かない足を叩く。3回ほど叩いたときに、その腕が弱々しく掴まれた。





JM「 やめて…もう………やめてよ…」





ジミンだった。いつだって僕の味方でいてくれた親友が、目を真っ赤にして「どうして僕らばかり」と呟いた。
ただ立ち尽くしていた僕の右手を、痛いくらい強く握るジミンの手を左手で握った。






悔しい。愛おしい。苦しい。悲しい。虚しい。
僕には抱えきれないほどの感情で胸が押しつぶされそうだったけど、右手に感じる親友の掌の温もりだけが僕のふらつく足を強く立たせてくれた。





それからすぐに世界中にこの事件が取り上げられた。ヒョンを心配する声、称賛する声、非難する声、様々な憶測が飛び交った。

一週間が経ってジニヒョンの意識が戻ったと連絡を貰った僕らは病院に駆け込んだ。

そこで見たのは、どんな非常事態でも凛としていた面影がまるでない涙とストレスでボロボロになったヌナだった。






JN「 …寝てなきゃ…だめ…だろ…」






見るからに痛々しい、たくさんのチューブに繋がれたヒョン。目が覚めたばかりで意識がまだ朦朧としているのか、何回もゆっくりと瞬きをして、かすれた声もいつものようなヒョンの元気さはまるで見当たらなかった。

それでも、たった一人を見つめているのは分かった。





JN「 …なく…な…っ」





震えた手が、ヌナの頬に辿り着く。
そのジニヒョンの手を大事そうに握りしめたヌナは今まで見たことがない顔で、痛い、痛いよ、心が痛いよと子供のように泣きじゃくった。





YG「 …俺らちょっと飲み物買って来るから」





一応声をかけて外に出る。

コンビニに行く途中口ぶりを合わせたかのように無言だった。




急に、少し前を歩いていたジミンが振り返って僕をぎゅっと抱きしめた。





「 …何でお前が泣くんだよ」




情けない震えた声が、僕を強く抱きしめるジミンの肩で曇る。


ジミンの目からポロポロこぼれる涙が、どうして僕のもののように思えるんだ。






「 泣くなよ………泣くなってば…」







ねえ、ヌナ、もしも僕があなたもジニヒョンも守れていたら、今頃、どうなってたかな。

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(プロフ) - phantさん» ありがとうございます;; (2020年1月26日 3時) (レス) id: 5c1877f0f8 (このIDを非表示/違反報告)
phant(プロフ) - なんとまぁ、心臓がギュゥっとなりました。おもしろかったです!! (2020年1月23日 1時) (レス) id: 1fb91767b9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - noenunaさん» noenuna様お久しぶりの更新となってしまい申し訳ないです…あけましておめでとうございます!現在書いているepilogueで今作品は終わってしまいますが、最後まで7つで1つの心に寄り添って書きたいと思います。。完結までどうぞ宜しくお願い致します^^ (2020年1月13日 2時) (レス) id: 5c1877f0f8 (このIDを非表示/違反報告)
noenuna - 愁様!お久しぶりです。新年のご挨拶でもしようかと迷っていたのですが、、そんな折に更新して下さって感無量です…!催促をするわけでは無いのですが、楽しみに待っておりましたのでとても嬉しいです。そしてあけましておめでとうございます! (2020年1月12日 23時) (レス) id: e65e70218f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - noenunaさん» noenuna様お久しぶりです( ; ; )書こうか書くまいかひたすら悩んでいたグクの話を公開してドキドキしていました…これからも更新頑張ります^^ (2019年11月10日 18時) (レス) id: 5c1877f0f8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年11月9日 3時

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