Epilogue2:STILL ページ28
貴方side
( どうしたい?)
「 …わからない」
( 貴方が選んでいいのよ。わたしはこのまま消滅したってあなたを恨むことは絶対にしない。オッパたちの、あの子たちのあんな幸せそうな顔、私じゃ絶対与えてあげられなかったから)
カンAが綺麗な表情で微笑む。
それは、私のものではなかった。
私は、やっぱり死んでいた。
彷徨った魂がこの体に依存し、カンAを乗ったっていたのだ。
自分勝手に、世界を作り替えようとしていた。
恐ろしいほどの未練が産んだ神様の誤算だった。
バカだった。私はどうして少しも、この体の持ち主であるカンAを心配しなかったんだろう。
彼らとの毎日を楽しんでいた。そんな私を、彼女はどんな気持ちで見守ったいたのか。
それでも、魂が重なることも、二つの魂が一つの体に収まることも絶対にない。だから私の心がテヒョンに向いてしまった瞬間、違う人に向かっていた彼女の魂が完全に目を覚ましたのだ。
カンAは私の視点ではない視点から、私達を見守っていた。それを聞いた時、申し訳なさすぎて声も出なかった。
最近ずっと頭痛と吐き気、それに目眩と咳で苦しかった。でもその苦しみは彷徨い続けたカンAの魂が味わった痛みのほんの一部にしか過ぎない。
彼女はまだ若く、これからだった。そのこれからを、私が危うく奪ってしまうところだった。
( 最初から、私じゃ務まらなかったのよ)
「 いやずっとあなただけを求めてた人がいるよ」
( テヒョンは今のあなたに惹かれてるみたいだけど…)
「 あ…意外と天然なんですね…」
( え?)
「 いや……ジンさん常々不憫だな…ちょっとうけるけど…」
( ??)
「 あ、いや…何でもないよ。うん…私の気持ちは、変わらないし」
私の気持ちが直に伝わってくるんだろう。彼女は困ったように眉を落として少し微笑み、あなたがそう決めたなら。と私の手を握った。
浮遊する彼女と、私は額を合わせる。
( 春の鈴が鳴る頃、時間が元の通りに戻るわ。その時、あなたに迎えが来る。そして彼らの記憶も元通りになる。)
「 彼らがこれまで辛いとき、苦しかったとき、常に一緒にいてくれた。言葉はなくたって、7人にとってあなたは心の拠り所だった。ありがとう、彼らを守ってくれて」
もう少しだけ私に時間をください。
彼に、まだ伝えていないことがあるの。
( 優しいあなたに…リコリスの奇跡を)
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愁(プロフ) - phantさん» ありがとうございます;; (2020年1月26日 3時) (レス) id: 5c1877f0f8 (このIDを非表示/違反報告)
phant(プロフ) - なんとまぁ、心臓がギュゥっとなりました。おもしろかったです!! (2020年1月23日 1時) (レス) id: 1fb91767b9 (このIDを非表示/違反報告)
愁(プロフ) - noenunaさん» noenuna様お久しぶりの更新となってしまい申し訳ないです…あけましておめでとうございます!現在書いているepilogueで今作品は終わってしまいますが、最後まで7つで1つの心に寄り添って書きたいと思います。。完結までどうぞ宜しくお願い致します^^ (2020年1月13日 2時) (レス) id: 5c1877f0f8 (このIDを非表示/違反報告)
noenuna - 愁様!お久しぶりです。新年のご挨拶でもしようかと迷っていたのですが、、そんな折に更新して下さって感無量です…!催促をするわけでは無いのですが、楽しみに待っておりましたのでとても嬉しいです。そしてあけましておめでとうございます! (2020年1月12日 23時) (レス) id: e65e70218f (このIDを非表示/違反報告)
愁(プロフ) - noenunaさん» noenuna様お久しぶりです( ; ; )書こうか書くまいかひたすら悩んでいたグクの話を公開してドキドキしていました…これからも更新頑張ります^^ (2019年11月10日 18時) (レス) id: 5c1877f0f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愁 | 作成日時:2019年11月9日 3時