ボクのトリコ (Yuta.J)

番外編 優太のキモチ 5*YK ページ34

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ある夜に、母ちゃんから隣に持ってけと言われた柿を口実に


Aの部屋に行ってみたんだ


＜トントントン、トン＞


階段を上って


＜コンコン＞


「俺だけど。」


ぶっきらぼうに、言ってみた


「ねぇ、入っていい？」


…一応お伺いは立てて。


「…どうせダメって言っても入ってくるんでしょ」


よくわかってるじゃん


＜ガチャ＞


「よう」


「何しにきたの」


いつものAらしくなく、



こちらに顔も向けずに話される


「母ちゃんが、田舎から柿送ってきたから隣に持ってけって…」


「なら下でお母さんに渡せばいいじゃない
上まで来ないでよ、わたし勉強してるんだから」




いつになく冷たいAを見て


思い浮かぶのは


仲良さそうに2人で笑いあう、神宮寺とAの顔






「…なあ、A、神宮寺と仲良いの？」


意を決して聞いてみた問いかけにも


「まあまあ。」


なんだか冷たい態度


「どういう関係？」


「じんと？」


…そんなふうに呼んでんだ


「うん。…付き合ってるとか？」


どき、どき


「まさか。」


その言葉にああ。なあんだ、と


少しほっとする自分がいて。


「でも、私とじんが付き合っててもそうじゃなくても、優太に関係ないよ」


でもそんな俺にキツい一言


「…なんだよこないだから


何怒ってんだよ」


「だから怒ってないってば！


もう用済んだなら出てって。」



Aに怒られて、少しスネた俺は



「ああそうですか。」


悔しまぎれにそんなことを吐いて


くるりとAに背を向けて部屋を後にする



「もうAなんて知らない」




違うんだ、こんなことが言いたいんじゃないんだ





ごめん、A。、






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