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あの近藤さんとかいう女の人と別れて社長室に帰れば、やっぱり気になってしまって彼に問いかけた。
「ねぇ、あの人って…」
『ん？由香里のこと？』
「うん…」
呼び捨てで呼ばれるその名前が、どこか私の不安を煽っていく。
拒否反応を起こしてしまいそうなほど。
『小学生くらいからの幼馴染だよ。高校以来あまり会ってなかったから誰かと思ったけど』
「…」
私は、一体なにを心配しているのだろう。
彼が……私を裏切るはずないのに。
「総務課にいるって言ってたよね？」
『あぁ、だな。俺知らなかったわ』
「…じゃあ、仕事戻るね」
『分かった』
だけどやっぱり彼は気付かない。
私が少しでも心配していることを。
鋭いのか鈍いのか…少し落胆してしまった心を労わりながら秘書室に戻ると、それはいとも簡単に解放された。
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作者名：すまいる。 | 作成日時：2020年6月3日 18時
