サディスティックラブ～Side Story～ 6 (ページ28)

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～Takuya Side～

村田から明日青石と会うという連絡を貰ったあと、俺は1人で会社終わりにとある場所に向かっていた。

それは俺が前から訪れていた丘で、青石との思い出の場所。

なにかの覚悟を決めるとき、いつもあの丘に行っていた。

明日…勝負の日だから。

1人で暗い山の中を登っていくと、丘の上に誰かが立っているのが見えた。

その後ろ姿を見て、俺はその人が誰だかすぐに分かった。

…青石だった。

俺は近くに行けなくて、木の近くに身を潜めてしまう。

なんでこんな行動を取ったのか…俺にも分からない。

そして、青石がこの場所にいることも…。

でも彼女がここを覚えて来てくれていたことが死ぬほど嬉しくて、その後ろ姿を眺めているだけでも幸せだった。

もしかしたら…あいつも俺のこと…。

そんなことを思ってしまうほど。

そしたら何故か青石への愛おしさが溢れてきて、今すぐにでも抱きしめてしまいたくなった。

俺やっぱり…青石のこと…忘れられない。

好きなんだ…。

こんなに人を好きになったことは初めてで、自分でも驚くほど。

そんなことを思っていると、少し体制が崩れてよろけてしまった流れで踏んだ葉っぱがガサっと音を立てた。

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