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しばらくしたあと取引先の人が来て、会食が始まった。
会食といっても仕事の話をすることはほぼない。
ただ良い飯や良い酒を飲みたいがための口実と言っても過言ではないだろう。
俺はこんな時間を過ごすくらいなら1人で飯を食った方がマシだと前から思っている。
会食ほどめんどくさいものはない。
拓「ちょっと失礼します」
少し違う空気を吸いたいと思ったこともあり、尿意が襲ってきたタイミングで部屋を出た。
廊下を歩いていると、伊賀や福田が待機しているのは目に入ったが、青石がいない。
不思議に思いながらトイレへ向かうと、女子トイレから誰かが出てきて思わず立ち止まった。
すると、その人物は青石で。
まさかこんなタイミングで会うとは思わなくて、反射的に目が合うとビクッとしてしまった。
だからといって何も用はなく、咄嗟に目を逸らしてトイレの中へ入ろうとすると
「あのっ!」
と声をかけられて進む足を止めた。
「あの…」
震えるような声が俺に降りかかる。
「あの…どうして…避けるんですか?私のこと」
拓「…」
驚いた。
まさか青石からこんなこと言われるだなんて思わなかったから。
それでもなんて言葉にすればいいか分からなかった。
俺だってお前に聞きたいよ…そんなこと。
多少言葉に詰まったが、彼女と話そう口を開くと…
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作者名:すまいる。 | 作成日時:2019年10月23日 16時