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しばらくして真っ直ぐ行った先の角を曲がると、目的地のコンビニを見つけた
ずっと繋いでいた手も、コンビニの手前で離すようにポケットから出した
コンビニに入るや否やカゴを手に取って、直で酒が置いてあるコーナーへ進む
拓「好きなもん買え」
「はい…、あの!カゴくらい持ちます!」
拓「俺が持ってる方が楽だからいい」
「…そうですか」
青石に気を使うようにそう言われたが、
女に、しかも好きな女に荷物を持たせるなんて出来るわけないから当然のように断った
飲み足りないとは言ったものの、少しだけ呑みたいくらいだった俺はビールを1つカゴの中に入れた
すると、缶チューハイを2つほど手に持った青石が俺の元に戻ってくる
拓「それだけでいいのか?」
「はい。さっき結構呑んだので」
拓「つまみは?」
「おまかせします」
拓「わかった」
適当につまみを選んでカゴに入れれば、そのままレジへ向かった
「お金、私に払わせてください」
拓「あ?いいよこれくらい」
「そうやっていつも払っていただいたので、今日くらい私が!」
コンビニくらい別にいいのに…
そう思ったが、青石の立場になると払わせた方が気を遣わないと考えたため、今日はお金を出してもらうことにした
拓「…わかった。悪いな」
「いえいえ!」
カゴを彼女に渡した後、入り口で待ちながら空を見上げる
雪降りそうだな…
なんとなくそう思いながら、凍える手をさすりながらあいつを待った
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作者名:すまいる。 | 作成日時:2019年9月10日 19時