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「あ、あれです!」





しばらくすると指をさして示す青石の声に従って、車をその方向に進める





拓「あれか」



「はい!」





落としていたスピードも少し上げて、目的地のマンションに車を停めた





拓「綺麗なマンションだな」



「意外に新築なんです!」



拓「そうか」



「はい。ありがとうございました!」



拓「おう。また会社でな」



「はい!」






別れを告げる彼女と別れるのが寂しくて、車から降りようと扉に手をかけた青石の手を無意識に引き止めた



その反動で振り向いた青石の顔を見たのち、そのまま唇を押し付けた



俺にも、なんでこんなことをしたのか分からない



分からないけど…触れたくなった。






そして数秒後に唇を離すと、彼女の顔が赤く染まっていたが

俺の顔もきっと同じ色に染まっているだろう






拓「またな」



「…はい」





軽く微笑むと、青石はさよならと言って車から降りた



そのまま車を走らせると、バックミラーに映る彼女の姿



それはまるで、もう二度と会えないんじゃないかと思わせるほどの光景で


儚げに切なく映った








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作者名:すまいる。 | 作成日時:2019年9月10日 19時

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