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タカシ宅から自宅へ戻り、そしてまた仕事へ。


今日から連日でツアーのリハーサル。

雪の降った駐車場でユースケが雪玉を投げてきたから

それに負けじと投げ返す。




「お前らガチやん」


「A!コーイチ狙お!!」




ユースケが指さす方向にはコーイチ。

私はその勢いのままに彼へ雪玉を。




「ぶへ」


「ひゃー!!!ナイスピッチャー!!!」



ユースケ一人分の歓声が駐車場に響き渡った。


コーイチの顔面に雪が降る。




「まじお前ら覚悟しとけよ〜?!」


「いやー!」

「やだー!」



すぐさま雪玉を作り出したコーイチは私たちふたりを追いかけてきた。



「はーーーーい!!ストップー!近所迷惑!早く!中!入るのー!」



そこで既に中にいたカイママ、窓からの登場。

私たちは怒られた子供のように、とぼとぼと入口に向かった。



「これどーすんねん」

その手にはまだ雪玉。


「捨てなよ、」

「どの口が言うてんねん」

「そうだよ、コーイチ捨てなよ!」

「ユースケも黙れ」



入口前に雪玉を投げ入れたコーイチは

寒そうに手を擦り合わせていた。



「うわあ、誰かさんのせいで手ぇ冷たいわあ〜

あ〜凍え死んでしまいそうや〜」



黙って見ていれば

その手で頬を包まれ、

私の肌が冷え込んでくる。



「んんん!!冷た!」

「うわ、最悪〜!カイ〜!またコーイチがセクハラした〜!」



バタバタと走っていくユースケを横目に

「うっさいねん」と笑いながら手を離した彼。




「も〜、私が寒い〜」

「はいはい、これであったかいやろ」



彼は身に付けていたストールを私へ雑に巻く。



「くるしい」

「なんやて〜」



ぐりぐり。

おでこにおでこを押し付けてきてさらにくるしい。


自然とほっぺたが熱くなる。



「…おはよ」


「おはよ」



してなかった挨拶を今さらながらに交わして

ふたり並んで仕事へと向かった。


 

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作者名: | 作成日時:2017年11月6日 17時

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