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今回のカップリング曲は恋愛ソングか〜
レコーディングを終えたタカシからそう連絡があった。
「コーイチ調子めちゃくちゃ良くて。
俺も負けてられへん」
「そっか」
「応援しててな」
「もちろん。…って恋人同士じゃないんだから」
ここまでの会話は電話越し。
タカシは不安なことがあるとこうやって電話を寄越す。
「そんなこと言わんとって。頼りにしてんのAだけやもん」
「友達少ないもんね」
「それは、!言うたらあかんやつ!」
明日は全員での撮影があるから楽しみだね、って
最後にそう告げて電話を切った。
何もありませんように。
______
「コーイチと私ですか?なんだろ、パパと娘って感じ」
「まあ、間違いはないですね」
「タカシとAはキョウダイみたいなもんよね」
コーイチが当たり前のように即答し
ママみたいにカイが言葉を付け足す。
「カイまではお兄ちゃんって感じはするけど、コーイチは、」
「おっさんかな?」
「おい、誰がオヤジやねん」
「言い方の問題みたいです」
このやりとりは果たして採用されるのかわからないほどのゆるさ。
次の組のリョウガユースケタカシがはよしろ!と煽ってくる。
くじ引きで決まったこのクロストークはメンバー間の関係性を探るというものだった。
「まあ、俺とAのこの落ち着いた感じは出会った頃から変わらないな」
なあ、と投げかけてくるその目の色はなに。
「そうですね」
その、冷たい色は。
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作者名:柳 | 作成日時:2017年11月6日 17時