影と月 (ページ7)

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宣言通り(？)、私は謎にコーイチと一緒に帰宅することとなった。

「いきなりなに？ユーキびっくりしてたじゃん」

「ん～、そうやな～」

他人事のようにテキトーな返事。

納得しないまま彼の隣をただ歩く。

どのタイミングで抜け出そうかと

必死に頭の中で試行錯誤しているとき

彼と目が合う。

「理由、必要か？」

ひとり言のように漂ったその言葉は、

私の耳へと届いてしまった。

「なんの？」

「ふたりでいる、理由」

眉を下げてそんなことを言う。

ああ、彼はそんなこと、聞いてほしくないんだ。

彼の中で私は

当たり前にいる。

「…いいよ。いらない。」

「俺も。」

夜風が頬を撫でて

冬の匂いがする。

空気の冷たさに肩を震わせると

私の左手に温もりが伝わった。

一本、二本と指が絡み合う。

この感覚が久しぶりすぎて

どきどきしている自分がいる。

「やめてよ」

「嫌や」

そのままぐっと彼の方に引き寄せられ

温もりが近づく。

「家、来てくれる？」

ああ、逃げられない。