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家に帰ってから、晃一に借りたままのアルバムをかける。


あんなに動いた後だというのに

音楽に合わせて身体が勝手に動いた。


久々のこの感じ。

どうやらベストアルバムらしく、

私の好きな曲も

晃一の好きな曲も入っていた。





 




「これ分かんの?」

「うん」



英語ばっかりの歌詞

晃一は一応、内容を理解している私に驚いていた。


中学生だったくせに、馬鹿な奴だと思われたくなかったという

少々プライドの高かった頃だったと思う。


たまに彼に聞いてみたりもしたけど。




「おしゃれな曲、聴くんやな〜」


一方のタカシは何が何だかさっぱり、と笑っていた。


イヤホンで片方ずつ付けて聴いているのを

晃一にばっちり見られたこともある。






「タカシと仲良いんやな?」


その頃から

本気なんだか冗談なんだかわからないテンションで

彼はチクチクと私を攻撃してきた。


「こーちゃんだってアユさんと仲良いじゃん」


負けてたまるか、と彼と同い年のレッスン生の名前を上げれば

ばつが悪そうに顔をしかめる。


お互いに子供だったから

意味なんて成してはない、ただの意地の張り合い。






「付き合ってんのは、俺とAやん。

こういうのやめよ」



先に言ってきたのはどっちよ、

なんて思ったけど

そんな言い合いすら

今思えば楽しかった。






「楽しかったな、」



ふと蘇ってくる、思い出の数々。


曲を聴くだけで色褪せていたものが、色づくような。






私はこれから、

彼以外の人を

好きになれるのだろうか。



進んでいるのか

止まっているのか

私自身ですらもわからない関係性に

いつまで待っていられるのだろうか。




あーあ。

わからない。



私から彼に対するものは

昔から変わらないのはわかっているのだけれど。

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作者名: | 作成日時:2017年11月6日 17時

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