75 ページ25
私は彼の悩みの内容を知っている。
でも私にはどうすることもできない。
彼の父の気持ちもよく分かる。
サッカー選手よりも医者の方が断然将来安泰だと誰もが言うだろう。
サッカー選手になっても短命かも知れない。
医者になるのはお金も時間も労力もかかるが、その分医者になり、
落ち着くことができれば安定した暮らしができるだろう。
「飛鷹さん、確実に上手くなってますよね！！」
「・・・・・。」
「先輩・・・・？」
「ああ、飛鷹くんね。確かに落ち着いてきたよね。」
練習中だというのに考え事で注意散漫とはマネージャーとして最悪だ。
豪炎寺くんだけが何か抱えている訳ではない。
みんな何かしらのものを抱えてサッカーをしている。
実際、人が幸せだと思う時間は短い。それよりも圧倒的に悩んだり、悲しんだり。困ったりすることの方が多い。どれだけ「自分は幸せだ」と思っている人でも、そう言った時間の方が多い。「この時間をどうプラスに持って行こうか」と「悩む」のだ。結局人間とはそういうものなのだろう。
「ふう・・・・。私、ドリンク取りに行ってくるね。」
「あ、私も行くね。」
私が立ち上がると、冬花も手伝いに来てくれた。
休憩が始まり、みんなにタオルやドリンクを配る。
「お疲れ。」
「ああ。」
不動くんとは相変わらず何ら変わりはない。
というか、お金の件をまだ聞けていないが、こういうのは聞くべきなのか迷っている。
ドリンクを配り終えた時、秋ちゃんが円堂くんへの手紙を持ってやって来た。
どうやら亡くなったお祖父さんの字と瓜二つらしく、
罠か、本物かと少し口論になっていた。
しかし円堂くんは楽観的に振る舞ったが、練習中どこか悩んでいる様子が垣間見えた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
その晩、円堂くんが監督に交渉しているみたいだった。
彼は本当に一生懸命で、私には眩し過ぎる。
そんな彼を羨ましさから苦手に感じ、若干避けてしまうのは私の悪いところだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 54人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あずきちょこ(プロフ) - 那縷々さん» コメント有難うございます。励みになります。 (2020年10月10日 12時) (
レス) id: 1615f8fdf9 (このIDを非表示/違反報告)
那縷々(プロフ) - 久々にイナイレの夢小説読んで、当時凄く熱中してた気持ちを思い出しました。他の方とは違い読みやすいのでスルスルと内容が入ってきます。応援してます、頑張ってください (2020年8月29日 22時) (レス) id: 4ebe363740 (このIDを非表示/違反報告)
夢蜂(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございます！！書いてると誤字になってしまうこともありますよね^ ^;あずきちょこ。様のペースで更新ゆるりと頑張ってください！ひっこり応援しております！！ (2020年8月26日 22時) (レス) id: 269f71c012 (このIDを非表示/違反報告)
あずきちょこ(プロフ) - 紅羽さん» 何度もお手間をかけてもらってすみません。今その漢字の変換が何故か出て来ないので調整中です。しばらくお待ちください！すみません。ご指摘ありがとうございます！！ (2020年8月15日 23時) (レス) id: 1615f8fdf9 (このIDを非表示/違反報告)
紅羽(プロフ) - 何度も申し訳ないのですが、とびたかの「とび」は鳥の鳶の方ではなく、飛ぶという漢字ですよ！気になってしまったので…重ね重ね申し訳ありませんm(_ _)m (2020年8月15日 23時) (レス) id: a3482aa509 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あずきちょこ。 | 作成日時：2020年8月4日 11時
