72 修羅場っぽい時 ページ22
「不動くんに相談しようか迷ってたことはまさにこのことだよ。」
そう言うと不動くんは軽く顔を上げる動作をした。
察してくれたのだろうか、フン、と仏頂面で鼻を鳴らした。
「で、リカ。私たち付き合ってないから。
今日はこの間不動くんに迷惑かけたからお礼をしてたの。
だから勘違い厳禁。」
そう言ったが彼女は中々理解してくれなくて、困った。
その間に私はカバンの中のペットボトルを取り出すふりをしてケータイを探した。
誤魔化すために水を飲んだ後カバンに戻し、出し文面を打った。
［ごめん。これはぜったいにながくなる。ふどうくん、からまれるまえにたいさんしてくれていいよ！］
そして文面をチェックして不動くんに送信した。全部平仮名だが、仕方がない
ついでにヒートアップしているリカに飴をあげた。
メールに気づいた彼はケータイを確認すると、「帰る。」と言って背を向けた。
「アンタ！ちょっと待ちィな！まだ話は終わってへんで！！」
リカは叫んだが、不動くんは「これでも俺は代表選手なんだよ。お前らみてぇに暇じゃねえんだ。」と言って振り返らずに帰った。
怒っているリカをよそに「今日はありがとね〜」と彼を見送った。
「呑気やなぁアンタ、あれのどこが良いんや？
好きな女を一人置いていくなんて考えられへん。」
リカはため息をつき、腕組みをした。
「いや、私もだけど、不動くんも別に私のこと好きじゃ無いでしょ・・・。」
「ほんなら言わしてもらうけどな、
あんな他人に自分の時間を邪魔されるのが嫌いそうな不動が、
奢ってもらうとは言えアンタの頼みを聞いて自分の時間を割いたんやで？
Aに気あるからとしか考えられん！！」
「それに関しては私も同じだな。」
どうやら塔子まで同じ様に思ったそうだ。
「ん〜そうなのかなぁ。」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
その後2人とは別れて私は宿舎に戻り、その途中で不動くんには謝罪と感謝のメールを送った。
そう言えば２人は私が不動くんにメールした事は気づいていないようだった。
自分の部屋に着いてからカバンの整理をしていると、カバンにあるファスナーのない外ポケットに
２０００円が入っていた。
「・・・・・案外、リカの言ってること間違いではないのかなぁ。」
この日は少し、眠れなかった。
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あずきちょこ(プロフ) - 那縷々さん» コメント有難うございます。励みになります。 (2020年10月10日 12時) (
レス) id: 1615f8fdf9 (このIDを非表示/違反報告)
那縷々(プロフ) - 久々にイナイレの夢小説読んで、当時凄く熱中してた気持ちを思い出しました。他の方とは違い読みやすいのでスルスルと内容が入ってきます。応援してます、頑張ってください (2020年8月29日 22時) (レス) id: 4ebe363740 (このIDを非表示/違反報告)
夢蜂(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございます！！書いてると誤字になってしまうこともありますよね^ ^;あずきちょこ。様のペースで更新ゆるりと頑張ってください！ひっこり応援しております！！ (2020年8月26日 22時) (レス) id: 269f71c012 (このIDを非表示/違反報告)
あずきちょこ(プロフ) - 紅羽さん» 何度もお手間をかけてもらってすみません。今その漢字の変換が何故か出て来ないので調整中です。しばらくお待ちください！すみません。ご指摘ありがとうございます！！ (2020年8月15日 23時) (レス) id: 1615f8fdf9 (このIDを非表示/違反報告)
紅羽(プロフ) - 何度も申し訳ないのですが、とびたかの「とび」は鳥の鳶の方ではなく、飛ぶという漢字ですよ！気になってしまったので…重ね重ね申し訳ありませんm(_ _)m (2020年8月15日 23時) (レス) id: a3482aa509 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あずきちょこ。 | 作成日時：2020年8月4日 11時
