《再始動》【刀剣乱舞】刀剣男士の子育て本丸−１年目ー

朝の挨拶＿＿来派の場合 ページ31

「あっかっしー」

来派の部屋に尋ねれば当たり前のように、一枚の布団がある。
そこにいるのは勿論、眼鏡をかけた男性＿＿明石国行だった。
気持ち良さそうに寝息をたてている。

来派には、確か他にも居た筈だ。
赤髪の少年＿＿愛染国俊と、小さな少年＿＿蛍丸だ。
だが二人の姿は見当たらなかった。

「おきろー!!」

上に飛び乗り叫んでみると、明石は小さく目を開けていく。

「……なんやと思ったら、主はんですか」

ふぁぁぁ、と大きい欠伸をするともう一度目を閉じる。
Aは少しだけ驚くと、思いきりの力で布団を叩く。……だが、中々起きる気配はない。
寧ろ、少しだけ笑っているようだ。

Aは眉を潜めると、下りると中に入り込む。
これには明石も驚きの声をあげる。

「あっ、主はん!!何してはるん!!?」

Aはにこりと笑い返すと、ぎゅっと抱き締めた。
その力は徐々に強きなっていく一方だ。
全然、居たくはないのだが中々眠れないので仕方なく起きることにした。

のそりと体を起こし、ふぁぁぁ、ともう一度大きな欠伸をして起き上がる。
否、起き上がろうとした。


ちゅっ＿＿。

少し下だが頬に感触がある。
驚いて頬を押さえ、犯人＿＿のAを見張る。

当の本人のAは、にひひと悪戯に笑うと、にこりと何時ものように明るく笑った。

「おはようっ、あかしっ!!」


廊下を走り、目的の部屋に向かう途中、愛染と蛍丸見つけた。
愛染と蛍丸も気づいたらしい。愛染は大きく手を広げ、Aはそこに飛び込んだ。

「おはようっ、あいぜん!ほたるまる!!」

「おう、おはよう!」

「おはよ」

Aは、にひひと悪戯に笑うと、しゃがんで、と二人をしゃがませる。


ちゅっ＿＿。

ちゅっ＿＿。

二人の頬に口を落とすと、Aはにこりと笑う。
二人は驚いたが優しく微笑み、抱き締めた。




「よー、やっと起きたか!!」

「…どうしたの?」

「なんでもない…眼鏡をかけてまま寝たことを後悔しとるだけや…」

(嘘だ)

(嘘だな)

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