want hope【J-HOPE×SUGA】 ページ3
「ヒョン！ヒョンの希望が来ましたよ！」
部屋の扉がノックされる。ホビを呼んだのは俺なのだけど、立ち上がるのが面倒で「鍵、開いてる」と扉の向こうに声をかけた。
楽しげに扉が開き、半日ぶりの恋人が部屋に入ってくる。薄暗い、間接照明だけの部屋が明度を上げたような気がした。どうやら、こいつが俺の希望を名乗るのは正しいらしい。
「ヒョンから部屋に呼ぶなんて、どうしたの？」
「恋人を部屋に呼ぶのに理由がいるか？」
俺の返答に、目をぱちりと大きく瞬かせたホビ。
ただ会いたかった、なんて言える訳もなく、俺の口から発せられたのはそんな可愛げのない言葉だった。
「理由なんていりませんよ、ヒョン〜♡」
眩しい笑顔で、思い切り抱きつかれた。「…勢いつけすぎだ」なんて素っ気ないことを言いながら、鼓動は明らかに速まる。
ぎゅうぎゅう抱きしめられて、ふたり分の体重をかけられた作業用の椅子がギシリと音を立てた。
「おい、ちょっと、重い」
「あぁヒョン、もっと早く言ってよ、ごめんね」
背中を軽く叩いてやると、慌てて体を離し眉尻を下げて謝ってきたホビ。自分から離れるのを促した癖に、こいつの体温が恋しかった。何も言えずに、かろうじて掴んだのは俺よりほんの少し小さい手。
羞恥で目なんて合わせられない。視線を感じながらも、頑なに下を向いた。なんだよ、なんか言えよホビ。
「そっち、行く？」
沈黙を破った声に、思わず顔を上げた。ホビが指さしているのはベッドで、これはそういうことだろうかと、やましい思考を巡らす。いや、何考えてんだ。
「いや、違う！違うから！そんなジョングギみたいに盛ってないよ僕！」
「ぇあ、い、いや、別に何も言ってねぇだろ俺、」
いつもの能天気な笑い顔はどうしたんだよ、真面目な顔でベッドなんて指さされたら勘違いもするだろ。最悪だ、はずかしすぎる。
「ヒョン、おいでよ」
俺がひとり悶絶している間に、ホビはもうベットに腰かけていた。自分の隣をポンポン叩いて、俺を心底愛おしそうな顔で待っている。
俺が無言で頷いたのを見て嬉しそうに笑ったホビの所まで、この後やってくるであろう安心感に高鳴る鼓動を抑えて歩く。我ながら子供みたいだな。
「…ホビ、さっきみたいに、はぐ、」
どうしたんだ、俺。
ホビは一瞬驚いたように俺を見たけれど、すぐにまた笑顔になって腕を広げる。まだ抱きしめられてもないけど分かるんだ、俺を溶かす温かさ。
「ほら、おいで、ヒョン」
chewy cheeks 【JIMIN×SUGA】→←tiger and cat【V×SUGA】
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作者名：ﾉｾ | 作成日時：2020年11月23日 11時
