like sugar【JIN×SUGA】 ページ1
「ユンギ、もう眠い？」
ん、と短く返ってきた眠そうな声。ほんとうならすぐにふたり一緒の部屋で眠ってしまいたいのだが、生憎まだ僕には洗い物が残っている。くそぅ。
眠気に負けそうな所をギリギリのところで耐えて健気に僕を待っているかわいいユンギだけれど、この状態で待たせているのは心苦しい。
「先に寝てていいぞ？」
「ん」
すぐに立ち上がってスタスタと部屋に向かうユンギ。わかっていたけど、お眠なことに免じてもう少し寂しがる素振りを期待していた。
早くユンギのいる部屋に向かうため、さっさと洗い物を終わらせて僕以外誰もいないリビングの電気を消す。
「あら」
部屋に入ると、ユンギが僕のベッドの上で、律儀に僕の寝る場所を空けて、ぐっすり眠っていた。なんだかんだ僕と一緒に寝たかったんだろう、かわいい。
軽く丸まって静かに寝息を立てるユンギの隣に入り込みふわふわと揺れている黒髪をそっと撫でつける。
「……ん、ヒョン、」
もぞもぞと動いたかと思えば、ぱっちりとは開かない目で僕を見つけた様子のユンギ。起こしちゃったか。
やっと来た、なんてかわいいことをぽつりと呟いて、寝ている間に落ちていた頭を枕に乗せ直す。寝ぼけているからか、ラッパーユンギの面影もなく舌っ足らずなのが愛おしい。
起こしてしまったことには苛ついていないようだ。
「ふふ、ユンギヤは僕と寝たかったんだね」
「ん、……ヒョン、あったかいし」
そう言いながら控えめに擦り寄ってくる。ユンギは寒がりだから、僕を湯たんぽ代わりに寝ているらしい。
いや、そんなことだろうとは思っていたけど、それもあるんだろうけど、寝ぼけている時くらい、もっと素直にかわいいこと言ってくれてもいいんじゃないか？
「…あと、ヒョンいると落ち着く、から」
突然そんなことを付け足されて、心臓を打ち抜かれた衝撃に言葉が出ない。いや、世の中のカップルならこれくらいよくあるのだろうけど、僕にとっては大事件なんだ。息、止まる。
そして当の本人は、本当に落ち着いた様子でまた静かに寝息を立て始めた。猫みたいだ、この子は本当に。
「…お眠はだめだ、僕がだめだ」
ARMYはお砂糖ユンギが大好きみたいで、もちろん僕も、普段はお砂糖ユンギが見たくてアピールしては無視されてを繰り返しているけれど。
いざふわふわお砂糖ユンギを目の当たりにすると、あまりの破壊力に死んでしまいそうになるんだ、僕は。
「お前は、塩なくらいが丁度いいよ…」
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作者名：ﾉｾ | 作成日時：2020年11月23日 11時
