第八百九十四話：記憶の改竄 ページ33
＿＿"記憶の改竄"
＿＿そう彼女は、城を破壊したあの夜、あることを行っていた。
＿＿城を出て行く前に門の柱に傷ついた手を付け、自身の血をべっとりと付けたというあの行動。
＿＿その際に、彼女は、幕府側にとって裏切り者である真庭忍軍の容姿判別や名前、さらには否定姫と右衛門左衛門の名前を、曖昧なものとして認識させるという術式をかけていたのだ。
＿＿門の外へ出たのと同時に、"記憶を不確かなものとして認識させる"、"願い札"ならぬ、"血を使うほどまでに強い願い"を込めて行ったのだった。
＿＿だが『曖昧』と言っても、樹に半分は乗っ取られていた状態だった為に、最初はその効果は発動しない。が、鑛Aという存在が強くなるにつれて徐々に効果が現れるというもの。
＿＿存在自体は記憶から消すことなく、曖昧なものとし、不確かなものとして定着させる。ただし、それはとがめと否定姫、右衛門左衛門と真庭忍軍といった、かつての幕府の関係者には反映されないように細工をしてある。
＿＿・・だが、否定姫には有効対象でも、術者本人にはそれは反映されず、存在が曖昧なものとしての定着は、施されてなかった。術の発動条件、"術者本人の存在が強くなるにつれて効果を発揮、持続させる"。その逆として、"術者本人の存在が薄くなる、または確率されないものになる"と、術の効果は消えることは無いが、効果は弱まる。もし、本人がいなくなるようなことがあれば、術自体はないと言っても過言ではない。
＿＿それはまさしく、"自己犠牲覚悟の術式"
＿＿その話は、真庭忍軍は既に本人から聞いてあった。
狂犬「・・・。」
蝙蝠「・・あいつのおかげで、本来幕府の裏切り者の俺等はこうして往来を闊歩していける。」
狂犬「えぇ・・・。」
二人がそんな会話をしている間に、Aは道行く人々から声をかけられていた。
質屋の旦那「お！蜉蝣ちゃん！元気してるかい？」
A「はい！おかげ様です。(微笑」
小物屋の看板娘「蜉蝣さん、お疲れ様です。(微笑」
A「お疲れ様です。(微笑」
買い物帰りの子ども「あ！蜉蝣お姉ちゃん！こんにちは！」
A「こんにちは、気を付けて帰ってね。(微笑」
依頼主やその繋がりのある人達が、Aいわく蜉蝣を見かけては挨拶をしていた。
それを見ている二人。
蝙蝠「・・・まぁ、あの様子じゃあ前みたいに気を過剰に張る必要もねぇし、普通に警戒しとけば良いぐらいには、なったよな。」
狂犬「・・そうね。」
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雨晴(プロフ) - 青龍さん» こんばんわ〜ありがとうございます(^^) 頑張らせていただきます！ (2017年7月24日 22時) (
レス) id: 3adc52b091 (このIDを非表示/違反報告)
青龍 - 完結おめでとうございます！新しい小説でも頑張ってください！ (2017年7月24日 21時) (レス) id: ba867b1983 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨晴 | 作成日時：2017年6月10日 1時
