第八百八十七話：彼女の反応 ページ26
火苗菊がそう言った後＿
ッ
涙池へと続く道から足音が聞こえ、気配を感じる。
全員がその方向へ目を向けると、人影が見えてきた。
ザッ・・・
人影の正体は勿論の如く、鑛Aだった。
巫女装束を着て、化粧を施し、底の高い下駄を履いている。
平忍達「・・・・！」
その姿に一瞬見入る。
鳳凰が尋ねた。
鳳凰「お主、ここまで戻って来たのか？」
A「はい。」
鳳凰「あのまま涙池にいるのだと思っていたぞ。」
腹心の元へ歩きながら答える。
A「最初はそうしようかなって思ってたんですけど、前みたいに行ってからまた戻るなんてことしたら流石に申し訳ないかな〜って思って・・戻ってきました。」
苦笑いしながら言った。
蝙蝠「だったら最初からここにいりゃあいいだろ。」
A「まぁ確かにそうなんですよね・・・考えてみたら。」
「あはは・・」と笑う。
蟷螂「・・・。」
蝶々「相変わらずだな、お前。」
A「返す言葉もないです。」
と言ってまた苦笑いをする。
A「・・・。」
十二頭領達から向き直って、統一して同じ忍装束を着ている者達、平忍達の方に目を向ける。
A「・・これで、全員ですか？」
鳳凰「あぁ。」
十二頭領達を除いて、およそ二十人以上三十人未満の平忍達がいる。
顔や頭が覆い隠されて男か女かすぐには見極められないが、その中に身長が様々な子どもが、十人ほどいることは見て取てとれた。
平忍達「・・・。」
平忍達は、自分たちを見ているAに対してそれぞれがある意味で緊張状態にあった。
頭である鳳凰と魚組頭領の人鳥から話は聞いており、他にも個人的に他の頭領達から話を聞いていたが、それでも、"鑛一族の生き残り"、"かつての首狩り令での真庭忍軍との浅からぬ関係"、"姿も力も化け物並みに有している"という認識は消える事など無く、どこか警戒心に似たような感情で、Aを見ていた。
海亀/喰鮫/鴛鴦/白鷺/狂犬「・・・。」
川獺/蝶々/蜜蜂/人鳥「・・・。」
平忍達の間や最後辺りで移動していた十二頭領は、その空気を感じ取っていた。
蟷螂/蝙蝠「・・・。」
鳳凰(・・・説明はしたが、やはり認識はそう簡単に拭えるものではないだろうな。)
鳳凰もそんな事を思っていた。
十二頭領はAがどのような対応をしてみせるのか見守っている。
A「・・・。」
彼女は＿
A「・・・(微笑」
優しく微笑んだ。
第八百八十八話：新たな生活への幕開け→←第八百八十六話：真庭忍軍の到着
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雨晴(プロフ) - 青龍さん» こんばんわ〜ありがとうございます(^^) 頑張らせていただきます！ (2017年7月24日 22時) (
レス) id: 3adc52b091 (このIDを非表示/違反報告)
青龍 - 完結おめでとうございます！新しい小説でも頑張ってください！ (2017年7月24日 21時) (レス) id: ba867b1983 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨晴 | 作成日時：2017年6月10日 1時
