第八百八十六話：真庭忍軍の到着 ページ25
・・・・・・・
＿＿迷いの森
時刻は夕刻、暗がり始める手前。
もう夜ではないかと錯覚してしまいそうな迷いの森に、動く人影が何十人もいた。
ッ
木々の間を駆け走るその者達は、真庭忍軍だった。
それぞれが荷物を持ってただひたすらに目的地へと向かう。
先頭は鳳凰に続き、蟷螂、蝙蝠。中付近辺りに、川獺、蝶々、蜜蜂、人鳥。最後方に海亀、喰鮫、鴛鴦、白鷺、狂犬。といった構成で、平忍達がはぐれぬようにそれぞれの場所で移動しながら確認をしているという形になっている。
・・・その時
ッ
音が、聞こえてきた。
それは次第に音色へと変わる。
♪♪〜
全員がその場で一旦立ち止まる。
♪〜♪♪〜
遠くから聞こえてくる穏やかな音色の方向へと視線を向けたまま、平忍の一人が鳳凰に対して疑問を投げかけた。
平忍1「この音は・・一体なんでしょうか？」
鳳凰「これはAの草笛の音だ。」
平忍1「え？」
鳳凰「我等の時も同じだった。我等の事を歓迎しているのだ。」
『歓迎』という言葉に、平忍達は揃って「え？」っといった驚きの様子を見せている。
蝙蝠「はえぇな。俺等の到着が待ちきれなくなっちまったみてぇだな！きゃはっきゃはっ！」
蟷螂「ならば早く行った方がよかろう。」
鳳凰「あぁ。」
平忍達に向き直って告げた。
鳳凰「あと少しで縁郷へ着く。それまでの辛抱だ。行くぞ。」
平忍達「はい！」
再び移動を始めた。
ッ
前にいる鳳凰、蟷螂、蝙蝠は、道を分かっていながらも移動しながら徐々に大きく聞こえてくる音色を頼りに進んでいる。
十二頭領「・・・。」
平忍達「・・・。」
♪♪〜♪〜〜
音色はその音の強さを増していき、耳にはっきりと聞こえてくる。
そして＿
ッ＿＿
視界が開けた。
そこに広がるのは、小さい城のようにも見える大きな屋敷。
周りの木々は樹齢が様々なものがあり、どこか幻想的な雰囲気を醸し出している。
平忍達「・・・！」
♪〜・・・・
音色が止まった。
鳳凰に続いて屋敷の大門へと進み、手前で止まる。
すると＿
ギギィ・・・・ガコンッ！！
扉が開き、そこにいたのはAの腹心、水苗翔と火苗菊。
平忍達「！」
水苗翔/火苗菊「真庭忍軍の皆様、お待ちしておりました。」
お辞儀をして挨拶をした。
鳳凰「・・・Aは涙池にいるのだな。」
分かっていながらもそう尋ねる。
火苗菊「はい。ですが、こちらへ来られると思いますよ。」
鳳凰「？」
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雨晴(プロフ) - 青龍さん» こんばんわ〜ありがとうございます(^^) 頑張らせていただきます！ (2017年7月24日 22時) (
レス) id: 3adc52b091 (このIDを非表示/違反報告)
青龍 - 完結おめでとうございます！新しい小説でも頑張ってください！ (2017年7月24日 21時) (レス) id: ba867b1983 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨晴 | 作成日時：2017年6月10日 1時
