第八百八十三話：道具、新たな名 ページ22
鬼「・・俺の事とか考えなかったのか？てめぇ等を殺す可能性は十分にあるんだが？」
A「あるにはありましたが、昨日の貴方を見て・・気が変わりました。」
鬼「っ・・。」
ひくっと目元を動かして苦い顔をする。
A「わざわざ好き好んでここまで来る貴方じゃないでしょう？今だって嫌な顔しているんですから。」
鬼「あぁ、今すげぇ気分わりぃよ。だから簡潔に済ませる為に結果論だけを言う。」
一旦呼吸を整えて言った。
鬼「＿＿俺は、お前を道具としか見ねぇ。ここに住む以上は、俺の暇つぶしの道具として使わせてもらうからな。」
水苗翔/火苗菊「！」
A「・・・。」
それに対してAも言う。
A「＿＿私だって同じですよ。道具として、鬼として見て、貴方の暴走を止めてみせますよ。私の先祖だろうが喧嘩を振られたら、関係ありませんから。」
水苗翔/火苗菊「・・・。」
鬼「はっ、そうかよ。」
互いに見合う。
鬼「・・・。」
A「・・・。」
そうしていた所で、鬼が口を開いた。
鬼「・・あぁ、そういやお前に新しい名前考えてきたんだった。」
水苗翔/火苗菊「？」
A「名前ならもう十分貰っていますが？それに、私を『死に損ない』と呼んでいたではありませんか。」
鬼「簡潔に尚且つお前らしい名を考えてたんだよ。」
A「そうですか・・・それで、その名前とは何でしょうか？」
鬼がその名前を言った。
鬼「＿＿"雌狐"(めすぎつね)。」
水苗翔/火苗菊「っ！！」
A「・・・。」
それを聞いたAはただただ無表情だった。
鬼「誰に対しても媚び売るように、しかも例の痣見せつけるんだもんなぁ？いやぁ、流石狐。色気やら何やらで誑かすんだもんなぁ？」
眉を上げて嘲笑う。
A「・・・。」
鬼「何だよ？何か言ってみろよ？」
鬼をじっと見ているAに挑発するように催促し始めた。
A「・・そうですね。私も、『鬼』とか『貴方』とか『お前』とか言いにくかったんですよ。たった今ですが、丁度いい名前を思いつきました。」
水苗翔/火苗菊「・・？」
鬼「ほぉ？何だよ？」
Aは、一旦呼吸を整えて言った。
A「＿＿"糞餓鬼"(くそがき)。」
水苗翔/火苗菊「！？」
鬼「・・あ？」
ほんの数ミリ程度、首を傾げた。
A「だって、まるで子どもみたいにムキになってるじゃないですか。それに、名前に丁度"鬼"が付いてるし。」
口元を笑わせて言った。
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雨晴(プロフ) - 青龍さん» こんばんわ〜ありがとうございます(^^) 頑張らせていただきます！ (2017年7月24日 22時) (
レス) id: 3adc52b091 (このIDを非表示/違反報告)
青龍 - 完結おめでとうございます！新しい小説でも頑張ってください！ (2017年7月24日 21時) (レス) id: ba867b1983 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨晴 | 作成日時：2017年6月10日 1時
