第五十五話：口喧嘩 ページ10
＿＿＿渡り廊下
灸日が歩いていると、その前から人影が見えた。
灸日「・・・。」
?「・・・。」
両者とも面と面を向かい合った状態で対峙した。
灸日「・・・どいてくれないか？」
?「貴様の方こそ邪魔だ。どけ。」
灸日「・・・どこぞの誰かと思いきや、まさかあんただったとは思わなかったな。尾張幕府家鳴将軍家直轄預奉所軍所総監督・奇策士とがめ殿。」
とがめ「それはこっちのセリフだ。貴様が来なければ私は先程まで不愉快な気分だった気分を忘れることができたのだったが、貴様のせいでそれが不可能になってしまった。謝れ。」
灸日「誰が謝るか。どうせその不愉快な気分とやらもあの真庭忍軍十二頭領が一人・真庭蝙蝠が原因なんだろうが。」
とがめ「ほぅ。貴様の頭にしては鋭いではないか。その単細胞で出来た脳みそからは想像も出来なかったぞ。」
灸日「そういうお前こそ、そんな格好して恥ずかしくないのか？常識人から見ればお前はどこぞのちんちくりんの馬鹿にしか見えないぞ。恥を知れ。」
とがめ「ふん。貴様のような年がら年中包帯と仮面をつけている奴に常識人などと言われたくないし女心が分かるものか。男のくせに体格が子供のような奴がちんちくりんなどとよくぬかしおるわ。」
灸日「少なくとも餓鬼みたいに小さいお前よりは十分に背もその他も有り余っている。それにお前のような奴に女心などと言われたら世も末だ。」
とがめ「貴様のような顔すらも明かさぬ者に言われとうないわ。悔しかったらその仮面と包帯を取って私の前にその間抜け面を見せてみろ。臆病者。」
灸日「お前のような腹が真っ黒に染まっている上に髪や目の色が変わっている奴に言われたくねぇ。その面いや姿全体を洗って出直してこい。小娘。」
互いが睨み合う。一歩も譲る気はない。そんな口喧嘩を渡り廊下でやっていた。
両者とも一旦息をつく。
とがめ「相変わらず不愉快な男だな。貴様は。」
灸日「そっちこそ相変わらず口の減らない可愛げのない女だよ。お前は。」
とがめ「やけに早いではないか。そんなに急いでどうしたのだ。」
灸日「お前には関係のないことだ。俺は忙しいんだ。じゃあな。」
そう言い残し、スタスタと立ち去ってゆく。
とがめ「・・・・ふん。本当に不愉快な奴だ。」
彼女もまたそう言い残して、その場を立ち去った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 10人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨晴(プロフ) - 春夢さん» はい、何とか書いていきたいと思っております。コメント兼小説をご覧いただきありがとうございます！ (2016年8月14日 12時) (
レス) id: 3adc52b091 (このIDを非表示/違反報告)
春夢 - 更新頑張ってください！ (2016年8月14日 12時) (レス) id: 7df5f2c691 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨晴 | 作成日時：2016年8月10日 1時
