第七十六話：否定した言葉 ページ31
火成汰「だから言ってきた、それまで死ぬなみたいなことをな。完全な押し付けだが、あいつにそれを否定させないようにして言ったから、俺の勝ちだ。」
否定姫「・・・。」
火成汰「ん？どうした？」
否定姫「私の事は話したの？」
火成汰「気になるのか？」
否定姫「そりゃあ気になるわよ。あんたの妹だもの。」
火成汰「どういう意味だよそれ・・・。えっとお前の容姿のことを言ったら、綺麗な人だろうなってのは言ってたぜ。」
否定姫「・・・そう。」
火成汰「それ聞いてどうするんだよ。」
否定姫「どうもしないわよ。ただ気になっただけだから。」
火成汰「そうか。んで、まだ俺に聞きたい事はあるのか？」
否定姫「そうね・・・一つだけあるわ。」
火成汰「何だ？」
否定姫「私の事どう思ってるの？」
火成汰「・・・それは、どういう意味だ？」
否定姫「そのまんまの意味よ。」
火成汰「・・・何も。ただお前は否定姫だって事は思ってたよ。自分が否定姫って事以外は否定する。それがお前だからな。」
否定姫「私の事よく分かってるじゃない。さすがね♪」
火成汰「じゃあこれでお暇させて貰うぜ。」
そう言って立ち上がった。
否定姫「そうね。あんたとの最後の会話、楽しませてもらったわ。ありがと〜。」
火成汰「礼を言われる事をしたつもりはない。が最後だからな挨拶はさせてもらう。」
やはりくるりと後ろを向き、顔を見ずに言った。
火成汰「世話になった、じゃあな。」
そしてそのまま、部屋を出て行った。
スゥー・・パタンッ
否定姫「・・・ねぇ右衛門左衛門。」
右衛門左衛門「はい、何でしょう。」
否定姫「火成汰の事やっぱ殺すのやめにするわ。」
右衛門左衛門「ですが先日、私に火成汰を殺せと命令されたのは姫様です。」
否定姫「その過去の自分を私は否定するわ。そんなの真庭忍軍に任せとけばいいわ。」
右衛門左衛門「かしこまりました。」
否定姫「・・・。」
否定姫は初めて会った時からつい先程までの火成汰の記憶を目を瞑りながら思い出していた。
否定姫「・・・。」
『私の事どう思ってるの？』
『・・・何も。ただお前は否定姫だって事は思ってたよ。』
否定姫(・・・何であんな事聞いたのかしら？)
否定姫「あ〜あ。ほんと、ちょっと前の自分を否定したいわ〜。」
右衛門左衛門「・・・。」
ごろんと横になり、独り言のように言った。
外は既に夕方になっており、夕焼けの赤い日差しが否定姫の部屋に差し込んでいた。
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雨晴(プロフ) - 春夢さん» はい、何とか書いていきたいと思っております。コメント兼小説をご覧いただきありがとうございます！ (2016年8月14日 12時) (
レス) id: 3adc52b091 (このIDを非表示/違反報告)
春夢 - 更新頑張ってください！ (2016年8月14日 12時) (レス) id: 7df5f2c691 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨晴 | 作成日時：2016年8月10日 1時
