第七十話：似つかわしくない顔 ページ25
とがめ「貴様一体何をした？聞けば十二年という歳月の間、他の誰よりも熱心に仕事をしていたと聞く。そんな貴様が何故幕府全体を敵に回すような真似をした？」
灸日「・・・。」
灸日は振り向かないまま聞いた。
とがめ「おい！答えろ！」
灸日「聞こえてるよ、うるせぇな・・・それがどうした？つか誰から聞いた？」
とがめ「言うまでもなく分かっておるだろう。」
灸日「真庭蝙蝠か。てか何でお前がそんなどうでもいい事気にする必要がある？俺の事気に食わないんだろ？」
とがめ「あぁ確かに。貴様の事は気に食わない。顔を見る度に私の気分は不機嫌になるばかりだ。」
灸日「・・・喧嘩売ってんのか。」
とがめ「売るつもりはない。本心を言っているだけだ。」
灸日「なおさらだよ。」
とがめ「質問に答えろ！何故こんな事になった！」
灸日「・・・・・俺は、俺達は何かをしたつもりはない。ここの奴らが勝手にやった事に対して理不尽に思っただけ・・・のつもりだ。」
とがめ「・・・何を言っておる？」
灸日「お前は知らなくていい事だ。気に食わない奴の事を聞いて得なんてないだろ？」
とがめ「得なんてないが、貴様の今の顔が気に食わない。」
灸日「顔？仮面つけているから表情なんて分からないだろうが。馬鹿か？」
とがめ「見ずとも今の貴様の顔は・・・悲しそうな顔をしている。」
灸日「・・・。」
とがめ「他の誰よりも出し抜かれることを許さない貴様のような人間がそのような様をよりにもよってこの私に見せるとは、笑わせてくれるな。」
灸日「・・・。」
とがめ「貴様だってただの人だ、私だって中は腹黒くても人であることに変わりはない。貴様のような人間だってそれなりの事情とやらがある。だかｒ」
灸日「だから何だ？」
とがめは視線を下に向けて話していたが、いつの間にか目の前に灸日がいた。
とがめ「い、いや、だかｒ」
灸日「だから幕府全体を敵にまわしてまでのする価値があるのかと言いたいのか？それとも俺個人の身を案じてそう言おうとしたのか？」
とがめ「・・・・・どちらでもある。」
ビュンッ！
とがめ「・・・・・！」
・・・一瞬、何が起きたのかさっぱり分からなかったが、だんだんと現状を理解し始める。
灸日がとがめの額に拳で突こうとし、それを寸止めしたのだ。
灸日「・・・お前に何が分かる。」
とがめ「・・・。」
灸日「お前なんかに俺達の何が分かるってんだ。」
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雨晴(プロフ) - 春夢さん» はい、何とか書いていきたいと思っております。コメント兼小説をご覧いただきありがとうございます！ (2016年8月14日 12時) (
レス) id: 3adc52b091 (このIDを非表示/違反報告)
春夢 - 更新頑張ってください！ (2016年8月14日 12時) (レス) id: 7df5f2c691 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨晴 | 作成日時：2016年8月10日 1時
