第五十八話:珍しいことと疑惑 ページ13
火成汰「ん?あぁ、えっとな。髪の色が白髪でな、んで時々片方の目が変わるんだよ。なんつうかあれは普通じゃない。こう野心が宿っているような目にすら思える。」
A「野心?」
火成汰「出生も不明、年齢も不明、名前も本名かどうかすら分からねぇ。そんな謎だらけな奴にまともなやつはいねぇ。」
A「その人の名前って何ていうの?それに役職はどんなの?」
火成汰「名前はともかく役職名が長ったらしいんだよ。聞けば自称で名乗っているみたいだがな。えっと、尾張幕府家鳴将軍家直轄預奉所軍所総監督・奇策士とがめっていうんだ。」
A「へぇ〜!とがめさんか・・会ってみたいかも。」
火成汰「ま、同じ女でもお前には敵わねぇことは確かだ。」
A「え?何で?」
火成汰「ふふ・・。なんせ俺の妹は家事万能で気遣いができる上に容姿端麗で今みたいに俺の心を癒してくれる、お前みたいな女そうそういない。俺の自慢の妹だからな!」
兄・火成汰の発言で妹・Aは「またいつもの・・・」といった顔をした。若干呆れている上に同時に恥ずかしさもあった。
A「兄さん、いい加減私のことをそんな恋人みたいに言うのはやめてよ。恥ずかしいったらありゃしない//」
火成汰「何を言う!本当のことではないか!」
A「またそうやって・・//」
火成汰「そう赤くなるなって!照れるじゃねぇか(ニヤニヤ」
A(まったく。・・にしても)
A「兄さんが、私以外の人のことそんなに話すなんて珍しいよね?」
火成汰「そうか?まぁ、あいつ同様俺も「ムカつく女」としか思っていないからな。それ以上でもそれ以下でもない。」
A「そう・・・(本当にそれだけなんだろうか?)」
火成汰「それより早く食おうぜ。腹減ってるだろ?」
A「あ、うん。じゃあいただきます!」
火成汰「いただきます。」
二人は夕食を食べ始めた。
火成汰「あ、そうそう。言い忘れていたんだが、精霊達の憩でな、不自然なことがあったんだ。」
A「ん?不自然なこと?」
火成汰「あぁ、流水の溜まり場から見て左側の方の木、あそこの何本かだけがおかしいんだ。」
A「どんな感じに?」
火成汰「まず一本の樹齢の長い木があっただろ?その枝が獣の爪ではない鋭利な刃物みたいなのに切られていたんだ。それに付け加え、その横にある三本の木の幹のど真ん中に穴が空いていたんだ。しかもその周りが腐敗していた。病気か何かなのかどうかも分からないが、今までそんなこと一度も無かった。」
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雨晴(プロフ) - 春夢さん» はい、何とか書いていきたいと思っております。コメント兼小説をご覧いただきありがとうございます! (2016年8月14日 12時) (レス) id: 3adc52b091 (このIDを非表示/違反報告)
春夢 - 更新頑張ってください! (2016年8月14日 12時) (レス) id: 7df5f2c691 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨晴 | 作成日時:2016年8月10日 1時