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昼の城下と同じとは思えない位静まり返っていた
その中に1つ
明かりがついて、人の声が目立つお店がｱﾀｼの目に入った
━━━━ ｶﾞﾁｬ
騒いでいた声はなくなり
視線が一気にｱﾀｼに集まる
その中に1人
ピクリとも動かず右手に酒の入っているであろうグラスを持ちっぱの男
「ねぇ、貴方海賊？」
1人雰囲気が違う彼にｱﾀｼはなぜだか興味を惹かれた
「……」
お前に興味が無い
そう言いたそうにただ酒を飲むだけでなにも答えはしない
「ちょっと無視しないでよ」
「……あぁ、もう！！」
しびれを切らしたｱﾀｼは彼の横に置いてあった刀に手を伸ばす
「…ｯ！」
「あ…ちょ…ってうわ！
危ないじゃない」
「お前…どの口が言ってやがる」
周りがざわついてるのが耳に入る
あまりに一瞬の出来事で
額から汗が垂れているのが感じられる
ｱﾀｼは刀をとって彼の首元を抑える気だった
けれどｱﾀｼの手の中に刀はなくて
何故か彼の手の中にあった
そしてそれは問答無用に振りかざされ、ｱﾀｼは床に手を付きクルリと回り彼から少し距離を取った
誰もが予想をしていなかったであろう
ｱﾀｼの俊敏な動き
兵達の訓練に何度か混ぜてもらったり
ずっと近くで見たりしてきたおかげなのだ
執事やメイド達にバレたらお終いなんだけど
なんて思いながら苦笑いをしてしまう
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作者名：ななまる | 作成日時：2022年8月26日 16時
