QuizKnock 短編集2

彼氏はどっち？fkrさん ページ14

「うわぁぁぁ、もーやだぁ、、」

『あはははは！！！ふくらさん怖がりすぎですよー！！大丈夫ですって！！』

週末はいつもふくらさんは私の家に遊びに来てくれる。次の日が休みだから、そのままお泊まりして遊びに行くって感じ。

今週は何しようかなーって考えてる時、本棚の隙間にめちゃくちゃ怖そうなホラー映画のDVDが。そういえばこんなの買ったな。

よし、久しぶりにこれを見よう！

ということで、週末のスケジュールが決まった。そして現在に至る。

「うわぁぁぁ！！出るって絶対今から出るって！やめてやめて！無理！」

『ちょ、痛い痛い、大丈夫ですって、』

めちゃくちゃ強く手を握られる。さすがに怖がりすぎじゃないか。

「はぁ、怖かったぁ〜、、なんでこんなの見せるのA、、いじわる。」

『久しぶりに見つけたから見てみたくて。1人はさすがに無理なので、』

映画は終わったけどまだ怖がっているふくらさん。でもいつもはあんなふくらさん見れないからちょっと新鮮で、可愛かった。くっつけたし。ホラー映画、ナイス。

「ね、A、？」

『どうしたんですか？私ここで寝るからふくらさんソファーで寝てくれますか？』

「あのさ、」

『はい？』

「一緒に、寝てくれない？」

『はは。いいですよ、狭いですけど』

「ありがと。」

可愛い。ふくらさんが可愛い。
狭いのでぎゅーっとくっついて寝る体勢になる。

まだ怖いのか少し震えて強めに抱きついてくるふくらさん。

『もー、どっちが彼氏なんだか、』

「俺だよ！」

『この状況で言います？絶対私が彼氏の方がしっくり来ますよ〜』

少し間が空いて、次の言葉が。

「それは聞き捨てならないなぁ」

『えっ、』

怖がっている可愛いふくらさんから一転、意地悪でかっこいいふくらさんに変身する。

ばっ、と体勢を変えられ、押し倒されている格好になると、

「ホラー映画は苦手だけど、俺が彼氏ってことは知っといてもらわないとね？」

そう言ってふふっと笑ったふくらさんに、今日も私は溺れていく。

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